セラミックが高い5つの理由とは?歯の詰め物・被せ物の素材ごとの費用も解説
こんにちは!大阪 梅田のえみは総合歯科、理事長の加藤直之です。
歯の詰め物や被せ物に使用するセラミックといえば、天然歯のような透明度と色調を再現できる一方で、費用が高いというイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。セラミックが他の素材と比べて高い大きな理由は、保険適用外の素材であるためです。
そこで本記事では、セラミックが高いと言われる理由や実際にかかる費用について解説します。セラミックが高くても選ばれる理由も掲載しているので、詰め物や被せ物の素材で迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。
また、当院でのセラミック治療は、下記のページで詳しく紹介しています。当院で採用している素材やその費用が気になる方は、合わせてチェックしましょう。
目次
セラミックは高い?
綺麗な見た目を再現できるセラミックは、銀歯などの金属を使った素材と比較すると、費用が高いです。セラミックが高い理由として、保険適用外であることや製作費が高いことなどが挙げられます。
保険適用の素材よりも高いセラミックですが、安さだけを求めて保険適用の素材を選ぶと、後悔することにもなりかねません。銀歯や硬質レジンなどの保険適用の素材には、以下のようなリスクが存在します。
- 虫歯や歯周病になりやすい
- 見た目が悪目立ちしやすい
- 金属アレルギーを発症する恐れがある
その一方で、セラミックには費用に見合った価値があるのも事実です。審美性に優れ、天然歯のような美しさを実現できます。また、変色しづらいので、綺麗な見た目を維持できるのも大きな魅力です。
セラミックの素材の中には、費用を抑えた種類も存在するので、あなたの条件に見合う素材をぜひ見つけてみてください。
虫歯治療のセラミックが高いと言われる5つの理由
セラミックが高いのは、歯科医院側のお金儲けのためと思われがちですが、決してそうではありません。セラミックが高いのには、以下のような理由があります。
- 保険適用外であるため
- 高い技術が必要なため
- 製作に時間がかかるため
- 材料代が高いため
- 素材が高いため
それぞれ詳しく見ていきましょう。
保険適用外であるため
セラミックは、基本的に保険が効きません。自由診療の場合は、全額自己負担です。保険適用の場合は3割負担(現役並み所得者)で済むので、比較すると高額になります。
また、自由診療であるセラミックの価格は、歯科医院で独自に設定できるのが特徴です。保険適用のように一律価格ではないので、歯科医院によっては高額な価格設定がされている場合もあります。
価格設定と同様に、保証の有無や内容も歯科医院によって異なります。保険適用の場合は、2年間の無料保証が付くので、保証が付かないセラミックであれば割高に感じるでしょう。
高い技術が必要なため
周りの歯と見分けがつかないようにセラミックを加工するためには、歯科技工士の高い技術力が必要です。そのため、セラミックの費用には、歯科技工士の技術料も含まれます。
歯科技工士とは、歯科治療に関する様々な材料や装置を製作する技術者のことです。セラミック歯科技工士には、主に以下のような高度な技術が要求されます。
- 顕微鏡下での微細な加工技術
- 患者様に合わせたセラミックの材料の選定
- 治療後のメンテナンスについてのアドバイス
製作に時間がかかるため
セラミックの被せ物(クラウン)や詰め物(インレー・アンレー)を製作するために、多くの時間がかかるのも、費用が高額になる理由の一つです。1つのセラミッククラウンをオーダーメイドで製作するのに、1週間〜2週間もの時間を要すると言われています。
セラミッククラウンを製作する際には、歯の形を加工したり、歯の色を調整したりと工程が多いです。ただし、コンピュータ機器を駆使している素材は、制作期間を短縮できるので、費用も安くなる場合があります。
材料代が高いため
セラミック治療には、高品質な材料が使われているため、その分材料費がかかります。保険適用の素材では使用しないような型取りの材料や歯型の模型用の石膏、接着剤などです。
また、模型を作る際には、歯の色を確認するための撮影機材も必要です。歯の形を整えるために使用する専用の顕微鏡やルーペにも、費用がかかってきます。
素材が高いため
セラミック自体の費用が高いことも、治療費が高額になる原因の一つと言えるでしょう。保険適用で使われる金銀パラジウム合金やプラスチックのレジンといった素材は、セラミックに比べると安価です。また、セラミック系の素材の中にも価格差があります。
詰め物・被せ物に使用する4つのセラミック素材と費用
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それぞれ詳しく解説します。
オールセラミック
全てがセラミックでできた素材であるオールセラミックの相場は、詰め物で約6〜8万円、被せ物で約8〜22万円程です。天然歯のような透明度と色調を再現します。オールセラミックのメリット・デメリットは、以下のとおりです。
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オールセラミックは、周りの歯と馴染むように作られるため、審美性に優れています。また、セラミックは歯との接着性に優れているため、虫歯が再発するリスクが低いです。ただし、保険適用の金属と比べると強度に劣るため、強く噛み締める奥歯には向いていません。
ジルコニア
セラミック系の中でも人工ダイヤモンドと呼ばれる程の圧倒的な強度を誇る素材が、ジルコニアです。ジルコニアの相場は、詰め物で約4〜6万円、被せ物で約10〜20万円と言われています。ジルコニアのメリット・デメリットは、以下のとおりです。
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ジルコニアは金属に匹敵するほどの強度を誇るため、噛み合わせが強い奥歯にも使用できます。天然歯のような審美性を実現しやすく、美しい状態を維持できるのも特徴です。
当院のジルコニアは、フレームの上に数種類のセラミック材を重ねていくため、深みのある色味を再現できます。ジルコニアクラウンにかかる費用は、120,000円(税込)です。
ジルライト
ジルコニアをより安価で提供できることを目的に開発された素材が、ジルライトです。最新のコンピュータ機器を使うことで、低価格が実現されています。ジルライトの相場は、ジルコニアの半額程度で、詰め物で約2〜3万円、被せ物で約5〜10万円です。
ジルライトのメリット・デメリットを紹介します。
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当院のジルライトクラウンは、46,000円(税込)でご提供しております。
ハイブリットレジン
セラミックをプラスチックのレジンの中に混ぜ合わせた素材です。セラミックのような色調再現性と強度、プラスチックのような粘り強さを持ちます。ハイブリッドレジンの相場は詰め物が約3万円、被せ物が約4〜8万円です。
ハイブリットレジンは、条件付きで保険適用される場合があります。ハイブリッドレジンのメリット・デメリットは、以下のとおりです。
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当院では、ハイブリットレジンの詰め物を11,000円(税込)でご提供しています。
高くてもセラミックが選ばれる5つの理由
セラミックは比較的高い費用がかかりますが、保険適用の素材にはない魅力があります。高くてもセラミックが選ばれる主な理由は、以下のとおりです。
- 天然歯に近い審美性を再現できる
- 歯の白さが長持ちする
- 虫歯が起こりにくい
- 金属アレルギーのリスクが少ない
- 歯茎が黒ずむ心配がいらない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
天然歯に近い審美性を再現できる
セラミックは白さだけでなく、天然歯に近い透明度や色調、艶を再現できます。神経を除去して変色した歯や、ホワイトニングに失敗した歯も、セラミックによって理想的な色を取り戻せるでしょう。
費用が高くて手が付けられないという方は、前歯などの見た目に影響する箇所にのみセラミックを使用し、奥歯などの目立たない箇所には保険適用の金属を使用するのもおすすめです。
歯の白さが長持ちする
硬質レジンやハイブリッドレジンなどの保険適用の素材でも、白い歯は実現できます。しかし、保険適用のレジンはプラスチックなので、表面に無数の穴が空いており、変色しやすいです。そのため、時間の経過とともに歯の白さは落ちていきます。
その一方で、セラミックは陶器のため、水を吸収しません。また、表面が滑らかに研磨されており、ほとんど変色しないのが特徴です。治療後の白さが長持ちするので、費用対効果が高い治療法と言えるでしょう。
虫歯が起こりにくい
セラミックは虫歯の再発リスクが低いのも特徴です。3120本の歯を対象にした虫歯の再発原因に関する調査では、保険適用のレジンは46.7%を占めているのに対し、セラミック冠は13.6%と保険適用の約1/3に留まりました(※1)。
※1参考:歯科修復物の使用年数に関する疫学調査
保険適用であるレジンは、歯と補強物の接合性が悪く、歯とレジンの隙間に虫歯菌が入りやすいです。その結果、虫歯菌が気づかぬうちに増殖し、補強物がぐらついたり、取れたりする事態に陥ります。
セラミックは、歯との接着性に優れており、隙間なく接合するため、虫歯の再発リスクが低いのです。また、表面が滑らかなので、虫歯菌の吸着もほとんどありません。
金属アレルギーのリスクが少ない
セラミックは金属を一切含んでいないため、金属アレルギーの心配が不要です。保険適用の金属を使った素材を使用した場合は、以下のような症状を引き起こす恐れがあります。
- 歯茎がただれたり、腫れたりする
- 味が分かりづらくなる
- 手のひらや足の裏に水疱ができる
ただし、セラミックと金属の二層から成るメタルボンドと呼ばれる素材は、金属アレルギーのリスクが少なからずあるので、注意してください。
歯茎が黒ずむ心配がいらない
セラミックは金属を含んでいないことによって、歯茎の黒ずみも防げます。保険適用の金属の素材を使用した場合、金属イオンが溶け出し、歯茎が黒ずむことがあります。
特に、前歯の歯茎が黒ずむと悪目立ちしてしまうため、金属を一切使用していないセラミック素材がおすすめです。
セラミックが高いことに関するよくある質問
最後に、セラミックの費用が高いことについて、よくある質問を紹介します。
- 銀歯とセラミックはどっちがいい?
- 虫歯治療の詰め物にセラミックを選ぶと高い?
- セラミック歯が絶対ダメと言われる理由は?
- セラミックの保険適用はいつから?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
銀歯とセラミックはどっちがいい?
天然歯のような美しさを求めるのであれば、セラミックがおすすめです。セラミックは、天然歯のような透明度や色調を再現できるだけでなく、経年による変色がほとんどありません。
一方で、銀歯は耐久性に優れていますが、口を開けた時に金属が目立ってしまい、人前で口を開けることに抵抗を覚える場合もあるでしょう。銀歯とセラミックで迷われている方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
関連記事:奥歯の治療は銀歯とセラミックどっちがいいの?材質の違いについても解説!
虫歯治療の詰め物にセラミックを選ぶと高い?
詰め物にセラミックを選ぶと、以下のような理由から高く感じる可能性があります。
- 保険が適用されない
- 製作に高い技術と時間が必要になる
- 材料・素材にかかる費用が高い
ハイブリッドレジンにはセラミックが含まれていますが、条件を満たすと保険適用されるので、他のセラミック素材に比べると費用を抑えられるでしょう。
セラミック歯が絶対ダメと言われる理由は?
審美性や耐久性などに優れたセラミックは、メリットばかりではありません。費用面以外にも以下のようなデメリットがあります。
- 噛む力が強いと割れる恐れがある
- 歯を削る量が多い
- 神経を抜くケースもある
セラミックの治療後に後悔しないために、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:セラミッククラウンのデメリットは?後悔した症例と長持ちさせる3つのコツ
セラミックの保険適用はいつから?
ハイブリッドレジンは、セラミック系の素材の中で唯一、保険が適用されます。2014年にクラウンが保険適用になり、2022年4月の診療報酬改定でインレーも保険適用になりました。
ただし、ハイブリッドレジンに保険を適用するには、厚生労働省が定めた複数の条件を満たす必要があります。また、プラスチックのレジンも含まれていることから、自由診療のオールセラミックやジルコニアと比べると、審美性は高くありません。
まとめ|保険診療に比べるとセラミックは高い
セラミックは、保険適用の素材と比べると費用が高いです。しかし、保険適用では実現できない、天然歯のような透明度・色調・艶を再現できます。また、金属アレルギーの心配もいりません。
セラミック系の素材にも複数の種類があり、それぞれ特徴や費用が異なります。患者様が何を重視するかによって、選択する素材は変わってくるので、歯科医院で相談してみてください。
当院は、2万本以上の豊富な診療実績を誇り、天然歯のような白い歯と綺麗な歯並びを実現します。セラミック素材の費用や治療内容について気になる方は、下記のページをご覧ください。