秋におきやすい口腔トラブルと口臭の関係

目次
はじめに|秋になると口臭が気になるのはなぜ?
こんにちは。えみは総合歯科大阪梅田院、理事長の加藤です。今回は秋におきやすい口腔トラブルと口臭の関係についてお話させていただきます。
秋は気候が涼しく過ごしやすい季節ですが、当院では「口臭が気になる」「歯茎の調子が悪い」といったお悩みで来院される方が増える時期でもあります。
実は秋は、乾燥や食生活の変化などが重なり、口腔トラブルと口臭が悪化しやすい環境が整いやすい時期になります。さらに、夏に溜めた疲れが影響し、免疫力の低下から炎症や細菌繁殖を招くこともあります。年々この時期の口臭相談の患者様が増える傾向にありますが、今年の夏は異常な暑さという事もあり、かなり多くの患者様が口臭相談のため来院されています。
そこで本記事では、歯科医院の視点から 「秋に多い口腔トラブルと口臭の関係」 を詳しく解説し、日常生活でできるケア方法と、歯科医院での専門的な対策をご紹介します。
秋に多い口腔トラブルとは?
1、乾燥による口の渇き
秋は湿度が下がり空気が乾燥しやすいため、口腔内の水分も失われやすくなります。口が乾くと唾液の分泌量が減少し、細菌を洗い流す作用や抗菌作用が弱まります。唾液は「天然のマウスウォッシュ」とも言える重要な存在で、口臭予防や虫歯予防に欠かせません。唾液不足は細菌の繁殖を招き、舌苔や歯周病菌が増えることで、秋に口臭が悪化する大きな原因となります。特にデスクワークやマスク生活で口呼吸が多い方は、秋の乾燥によってさらに口腔環境が乱れやすいため注意が必要です。
2、歯茎の腫れや出血
夏に蓄積した疲労や不規則な生活習慣の影響で、秋口は免疫力が下がりやすくなります。その結果、歯茎が炎症を起こしやすく、腫れや出血が目立つようになります。歯茎からの出血や膿は、歯周病が進行しているサインであり、放置すると歯槽膿漏に至る危険性もあります。歯周病が悪化すると口臭の原因となる揮発性硫黄化合物(VSC)が大量に発生し、強烈な口臭を伴うケースが秋には増える傾向があります。歯茎の異変を感じたら、早めに歯科医院でのチェックを受けることが大切です。
3、口内炎
季節の変わり目は体調を崩しやすく、特に秋は夏の疲れや寒暖差の影響で口内炎ができやすくなります。口内炎は強い痛みや不快感を伴うだけでなく、傷口に細菌が繁殖することで口臭の原因となります。口内炎が繰り返しできる方は、栄養不足や免疫力低下が背景にあることも多く、秋の口腔トラブルとして代表的な症状です。口臭が気になる方は、口内炎のケアや予防も口腔環境改善の一環として意識することが重要です。
4、虫歯の進行
夏の間にアイスやジュース、かき氷など甘い飲み物やお菓子を摂取する機会が増えると、秋になってから虫歯が進行するケースが多くみられます。虫歯が悪化すると食べかすや細菌が穴に溜まり、強い口臭の原因になります。また、虫歯による痛みや不快感が食生活を乱し、さらに口腔環境を悪化させる悪循環を生むこともあります。虫歯は進行すると口臭が強まる可能性が高いため、定期検診や早期治療が欠かせません。
秋に口臭が悪化しやすい原因
1、唾液分泌の減少
唾液は細菌を洗い流し、口の中を清潔に保つ役割があります。秋は乾燥しやすく、気候的な暑さも残っている事から水分摂取不足になる方も多く、唾液量が低下し、細菌が繁殖して口臭が強まることがあります。
2、食欲の秋による食生活の変化
「食欲の秋」と言われるように、秋はおいしい食材が豊富です。しかし、脂っこい食事や味の濃い料理が増えると、消化に負担がかかり、胃腸由来の口臭につながることもあります。
3、夏の疲れからくる免疫低下
夏に溜め込んだ疲れは秋口に一気に表面化します。免疫力が低下すると口腔内の炎症が悪化しやすく、細菌の活動も活発になるため、口臭が強くなります。
4、歯周病の進行
歯周病は「沈黙の病気」と呼ばれ、痛みが出にくいまま進行します。秋の体調不良や免疫低下をきっかけに炎症が広がり、口臭の原因となります。
自宅でできる秋のおすすめ口臭ケア
1、水分補給を意識する
乾燥する秋はこまめな水分補給が欠かせません。コーヒーやお茶だけでなく、水を意識して補給することで口腔乾燥を防ぎましょう。
2、唾液分泌を促す習慣
- ガムを噛む
- よく噛んで食事をする
- 舌や頬を動かすストレッチ
これらは唾液を出しやすくし、口臭予防になります。
3、舌の清掃
舌の表面に白く付着する舌苔(ぜったい)は細菌のかたまりで、強い口臭の原因です。専用の舌ブラシでやさしく清掃するのがおすすめです。
4、食生活の見直し
- 発酵食品(納豆・ヨーグルト)で腸内環境を整える
- 緑黄色野菜でビタミンを補う
- ニンニクやアルコールの摂りすぎを控える
バランスの良い食事は体の免疫力を高め、口腔環境の改善にもつながります。
えみは総合歯科大阪梅田院の最新口臭ケア
1、最新口臭測定器「オーラルクロマ」で口臭の原因を特定
オーラルクロマでは、「ガスクロマトグラフ検査」が可能です。3つの要素の口内成分量を検査し、どこが悪いかまで導き出します。
① 硫化水素(舌の細菌数を調べます)
②メチルメルカプタン(歯周ポケットの細菌数を調べます)
③ジメチルサルファイド(内臓の状態を調べます)
口臭の原因を正しく知る事で最適な治療を行う事ができます。
2、 歯周病治療
口臭の主な原因は歯周病です。「オーラルクロマ」で正しい原因を特定した後、歯周病治療が必要であれば歯周病治療を行います。
3、舌苔除去とセルフケア指導
舌苔を除去し、家庭でできる正しい舌のケアについてご指導いたします。
4、「THP」(トータルヘルスプログラム)
ただ歯周病を治すだけでなく、虫歯や歯周病にかかりにくい口腔環境を一生涯にわたって維持することを目指す、世界標準の画期的な治療法です。アメリカの歯周病学会でも国際標準治療として認定されており、日本国内では一部の限られたクリニックでしか受けることができません。えみは総合歯科大阪梅田院は梅田で唯一の認定クリニックです。
まとめ|秋は口臭ケアを見直す絶好のタイミング
秋は乾燥や食生活の変化に加え、夏の疲れからくる免疫低下も重なり、口腔トラブルと口臭が悪化しやすい季節です。
- 水分補給と唾液分泌の工夫
- 舌や歯茎の清掃
- 食生活の改善
- 歯科医院での専門的ケア
これらを実践することで、秋を快適に過ごせます。
口臭が気になる方、歯茎の不調を感じる方は、ぜひ歯科医院での定期検診を受けてみてください。早めの対策が、健康な口腔環境と自信ある笑顔につながります。