差し歯の値段は?5つの素材の相場や保険適用のメリット・デメリットを解説

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こんにちは!大阪 梅田のえみは総合歯科、理事長の加藤直之です。

歯の高さがなくなった歯根に被せる差し歯は、保険が適用される治療です。そのため、保険適用の素材を選ぶことで値段を抑えられます。一方で、自由診療の素材は比較的値段は高いですが、審美性や耐久性に優れているのが特徴です。

そこで本記事では、差し歯の治療にかかる値段について解説します。差し歯に使われる素材ごとの相場や保険適用の有無によるメリット・デメリットも掲載しているので、失った歯を取り戻す治療を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

また、当院での差し歯治療は、下記のページで詳しく紹介しています。当院で採用している素材の値段が気になる方は、合わせてチェックしましょう。

差し歯の値段は高い?

差し歯の値段は、使用する素材が保険適用かどうかによって大きく異なります。保険適用の素材を選んだ場合は、患者様の負担額は総額の1割〜3割です。そのため、経済面を重視するのであれば、保険適用の素材を選ぶのが良いでしょう。

自由診療の素材は値段が高く、万が一取れた場合も自費で作り直す必要があります。その一方で、審美性は高く、天然歯のような透明感と色調を再現できます。また、耐久性にも優れているので、保険適用の素材よりも長持ちするのが特徴です。

【素材別】歯が抜けた時の差し歯にかかる値段相場

差し歯に使われる素材は、保険適用、審美性、耐久性、色調といった要素によって値段が異なります。差し歯に使われる主な素材と相場は、以下のとおりです。

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それぞれの相場や特徴を詳しく見ていきましょう。

【保険適用】硬質レジン

保険が適用される硬質レジンは、金銀パラジウム合金にプラスチックでできたレジンを貼り付けた素材です。表の見える部分は、レジンにより白いですが、中身は金属でできています。相場は、保険適用3割負担で5,000円〜8,000円程度です。

硬質レジンは安価で製作できますが、以下のようなデメリットが存在します。

  • 変色を起こしやすい
  • 金属アレルギーが発症する恐れがある
  • 裏が金属のため、天然歯のような透明度がない
  • 成分が溶けだして歯茎が黒ずむ恐れがある

【保険適用】ハイブリッドレジン

別名「CAD/CAM冠」とも呼ばれるセラミックとレジンのハイブリッド素材です。元々は保険適用外の素材でしたが、健康保険法の改正により保険適用になりました。相場は、保険適用3割負担で9,000円〜1,5000円程度です。

ハイブリッドレジンは、天然歯のような自然な透明度と色調を再現します。一方で、自由診療であるオールセラミックに比べると強度は劣ります。

【保険適用外】オールセラミック

白い陶製の材料であるセラミックだけで製作された素材です。土台にファイバーコアを使用することで、天然歯のような透明度に仕上がります。自由診療なので全額負担となり、相場は88,000円〜198,000円程度です。

オールセラミックは、硬質レジンとは反対にコスト面が唯一のデメリットであり、以下のような複数のメリットがあります。

  • 天然歯に近い審美性を実現する
  • 金属アレルギーの心配がいらない
  • プラークがつきにくい
  • 変色しづらい

【保険適用外】ジルコニア

人工ダイヤモンドとも呼ばれる強度の高いジルコニアを内側に使用し、周りをセラミックで作成する素材です。硬度の高さから奥歯にも使用できます。ジルコニアは自由診療により、相場は143,000円〜198,000円程度です。当院では、120,000円(税込)でご提供しております。

ジルコニアは、オールセラミックよりも天然歯に近い色調を再現できるのが魅力です。当院では、フレームの上に数種類の色のセラミックを重ねていくため、手間がかかる分、深みのある色に仕上がります。

【保険適用外】ジルライト

ジルコニア本来の強度や透明度はそのままに、お手頃価格で製作できる素材です。従来のジルコニアよりも透過度が30%向上しています。相場はジルコニアの約半額となる70,000円程度です。当院のジルライトは、ジルコニアの相場の約1/3の価格である46,000円(税込)で、ご提供しております。

ジルライトは、ジルコニアよりも低価格で製作できるのが最大のメリットであり、デメリットとしては歯の色調が単一であることが挙げられます。そのため、見た目に直結する前歯ではなく、奥歯に使用するのがおすすめです。

保険適用の差し歯を選ぶメリット・デメリット

保険が適用される差し歯は、値段が抑えられる一方で、いくつかのデメリットも存在します。経済面のメリットだけでなく、そのリスクも理解した上で素材を選びましょう。

保険適用の差し歯の2つのメリット

健康保険からの給付の対象として認められた差し歯を使用するメリットは、以下の2つです。経済的な負担を大きく軽減できるのが、保険適用の最大のメリットと言えるでしょう。

  • 値段を抑えられる
  • 中が金属で強度がある

それぞれ詳しく解説します。

値段を抑えられる

保険適用の差し歯では、費用の全額を支払う必要がありません。差し歯の自己負担額の割合は、所得や年齢によって以下のとおり変動します。

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そのため、保険適用の差し歯を選べば、国民皆保険制度により全ての国民が総額の3割以下の金額で治療を受けられます。さらに、保険適用の差し歯の費用には「補綴物維持管理料」が含まれているため、2年間の保証がついているのも大きな魅力です。

自由診療では最大198,000円程かかる素材もありますが、保険適用では10,000円前後まで値段を落とせるので、経済面を重視する方にはおすすめです。

中が金属で強度がある

差し歯の中には金銀パラジウム合金などの金属を使用するため、比較的強度が高い素材もあります。自由診療のセラミックよりも金属の方が強度は優れています。以下の何れかに該当する方は、歯科医院で相談の上、保険適用の素材を選ぶのも良いでしょう。

  • 夜の歯ぎしりや食いしばりの癖がある方
  • 虫歯や歯周病ではないのに、頻繁に歯が欠けたり、しみたりする方

保険適用の差し歯の3つのデメリット

経済面だけを見て、保険適用を選ぶと後悔する結果になるかもしれません。保険適用の差し歯には、以下のようなデメリットが存在します。

  • 金属アレルギーになる可能性がある
  • 汚れが付着しやすい
  • 自由診療より寿命が短い

それぞれ詳しく見ていきましょう。

金属アレルギーになる可能性がある

保険適用の硬質レジンや銀歯は、金銀パラジウム合金になどの金属を内包しているため、金属アレルギーを発症する恐れがあります。金属アレルギーの主な症状は、以下のとおりです。

  • 接触部分のかゆみ
  • 頭痛・肩こり
  • 記憶力や集中力の低下

汚れが付着しやすい

硬質レジンやハイブリッドレジンで使われるレジンはプラスチック素材なので、汚れが付着しやすいです。レジンには肉眼では見えませんが、小さな穴が無数に空いています。この穴に着色成分が沈着することで、差し歯は変色していきます。

被せたばかりの保険適用の差し歯は、白色で綺麗に見えるかもしれませんが、歯磨きを疎かにしていると黄ばみが出てきて、見た目の問題にも繋がりかねません。

自由診療より寿命が短い

自由診療の差し歯は10年〜20年の寿命と言われていますが、保険適用の差し歯は約7年と短命です。保険適用の差し歯は見た目の汚れだけでなく、プラークも付着しやすく、虫歯や歯周病のリスクを高めます。

歯周病が進行すると顎の骨を溶かし、最悪の場合は抜歯する事態にもなりかねません。また、保険適用の差し歯に使用している金属が溶け出すと、歯茎の黒ずみも誘発します。

保険適用外の差し歯を選ぶメリット・デメリット

自由診療の差し歯は高いという理由だけで嫌煙されている方は、そのメリットも十分に把握しておきましょう。また、差し歯治療を行う歯の位置が前歯であれば、自由診療の方が望ましいです。

保険適用外の差し歯の3つのメリット

自由診療の差し歯には、保険適用にはない機能面でのメリットがいくつかあります。保険適用外の差し歯のメリットは、以下のとおりです。

  • 寿命が長い
  • 審美性が保たれる
  • 金属アレルギーの心配がない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

寿命が長い

先述した通り、自由診療の差し歯の寿命は約10年〜20年と保険適用よりも長いです。自由診療で使われるセラミックは、レジンのように細かい穴は空いておらず、表面が滑らかに研磨されています。そのため、レジンとは異なり、経年による色の変化がありません。

また、プラークが付着しづらいので、虫歯や歯周病のリスクも低いです。しかし、歯磨きを疎かにしていると、寿命を縮めることになるので、毎日の丁寧なケアは欠かせません。

審美性が保たれる

自由診療で使われるセラミックやジルコニアは、保険適用の素材よりも審美性に優れています。また、経年による変色がないので、天然歯のような見た目を維持できるのも魅力です。

自由診療では金属を使用していないので、成分が溶けだして歯茎が黒ずむ心配もいりません。特に、見た目に直結する前歯の差し歯には、審美性の高い自由診療の素材がおすすめです。

金属アレルギーの心配がない

自由診療で使われるセラミックやファイバーコアは、金属を一切使用しないため、金属アレルギーの心配がいりません。原因不明のかゆみやかぶれで悩まされている方は、自由診療の素材を選ぶと安心です。

保険適用外の差し歯の2つのデメリット

自由診療の差し歯のデメリットは、以下のとおり、経済面と耐久性です。

  • 保険適用と比較して値段が高い
  • 金属に比べると割れやすい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

保険適用と比較して値段が高い

自由診療の場合は、全額自己負担になるので、費用は高くなります。また、自由診療の差し歯は保険適用よりも寿命が長いですが、万が一故障した場合は、修理費用も高額になる恐れがあるのです。

保険適用の場合は2年間の無料保証が付いていますが、自由診療の場合は、歯科医院によって保険の有無や内容が異なります。治療を受ける前に、歯科医院で保証内容を確認しておきましょう。

金属に比べると割れやすい

セラミックは陶器のため、強い衝撃が加わると割れる恐れがあります。特に噛みしめる力が強い奥歯は、割れるリスクも高まります。ただし、以下のような対策を取ることで、自由診療においても、高い耐久性を実現可能です。

  • 衝撃を吸収するファイバーコアを使用する
  • 人工ダイヤモンドと呼ばれるジルコニアを使用する

歯を取り戻す「差し歯」以外の3つの治療法の値段

差し歯の治療は、歯の根っこが残っているのが前提条件です。歯根が短すぎたり、割れたりしている場合も、差し歯治療が適用できない可能性があります。十分な長さの歯根がない場合に適用できる、以下のような治療法の値段も比較しておきましょう。

  • インプラント
  • ブリッジ
  • 入れ歯

それぞれ詳しく解説します。

インプラント

歯があった部分の顎の骨に人工の歯根を埋め込み、差し歯でも採用されるような人工歯を被せる治療法が、インプラントです。歯根が完全に固定されるため、本来の天然歯のような感覚で噛めるようになります。インプラントは自由診療なので、相場は30万〜40万円程です。

インプラントの費用を抑えるための保険適用の有無について気になる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

関連記事:インプラント治療に保険は適用できる?生命保険や医療費控除についても解説

当院では、20年以上の執刀実績がある医師と麻酔専門医が、患者様の悩みに寄り添った治療を行います。当院のインプラント治療にかかる値段は、手術費、レントゲン・CTの撮影費、被せ物等が込みで594,000円(税込)です。

インプラントに関する治療内容や費用について気になる方は、チェックしてください。

ブリッジ

失った歯の両隣の歯を削って土台にし、橋をかけるように人工歯を取り付ける治療法が、ブリッジです。ブリッジの治療期間は1週間〜1ヵ月程度と、インプラントや入れ歯よりも短く済みます。また、入れ歯よりも噛み心地に優れています。

ブリッジにかかる値段の相場は、保険適用であれば2〜4万円と安価です。ブリッジの素材ごとの値段やメリット・デメリットが知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

関連記事:歯のブリッジ治療とは?3つの素材ごとの費用やメリット・デメリットも解説

入れ歯

インプラントやブリッジとは異なり、入れ歯は失った歯の代わりに使用する、取り外し可能な装置です。失った本数によって、治療法が「部分入れ歯」と「総入れ歯」に分かれます。

入れ歯は保険適用される治療法なので、自由診療よりも値段を安く抑えられます。保険適用の場合、部分入れ歯の相場は5,000〜10,000円程、総入れ歯の相場は10,000〜15,000円程です。

差し歯の値段に関するよくある質問

最後に、差し歯の値段について、よくある質問を紹介します。

  • 差し歯の値段は前歯と奥歯で変わる?
  • 欠損歯を治療する差し歯は根っこがないとできない?
  • 前歯・奥歯の差し歯の値段は保険適用される?

それぞれ詳しく見ていきましょう。

差し歯の値段は前歯と奥歯で変わる?

前歯・奥歯といった歯の位置によって、差し歯にかかる値段は変わりません。しかし、前歯には自由診療の素材が推奨されるので、前歯の方が高額になる傾向にあります。

前歯は見た目が気になる箇所なので、審美性に優れた自由診療の素材が適しています。一方で、見た目が気にならない奥歯には、費用が安い保険適用の差し歯を選択するのも良いでしょう。

欠損歯を治療する差し歯は根っこがないとできない?

差し歯は、歯の根っこを土台にして人工歯を被せるので、根っこがなければ差し歯の治療は受けられません。歯の根っこがない場合は、インプラント、ブリッジ、入れ歯が主な治療法になります。

また、歯の根っこがあったとしても、以下の何れかに該当する場合は、差し歯の治療が受けられない可能性があるので注意してください。

  • 歯根の長さや幅が短い
  • 歯根が割れている
  • 虫歯や歯周病が進行している

前歯・奥歯の差し歯の値段は保険適用される?

差し歯で使用する素材によって、保険適用か否かが異なります。保険適用の素材は値段を抑えられる一方で、変色しやすかったり、プラークが付着しやすかったりとデメリットも多いです。

また、保険適用の素材である「ハイブリッドレジン」は、保険が使える条件が定められているので、注意してください。

まとめ|差し歯の値段が気になる方は歯科医師に相談しよう

差し歯の値段は、使用する素材によって大きく異なります。保険適用の素材は、経済面を重視する方にはおすすめですが、変色や虫歯・歯周病のリスクが高いです。

その一方で、自由診療の素材は保険適用よりも値段は高いですが、天然歯に近い透明度と色調を再現できます。また、ジルライトのように値段を抑えた素材もあるので、値段をできるだけ抑えたい方は、歯科医院に相談しましょう。

当院では、見た目と機能性を兼ね備えたセレック治療と、自然歯に近い色味や高い強度を実現するセラミック治療によって、患者様の欠けた歯のお悩みにお応えします。

この記事を書いた人

加藤 直之

大阪の梅田にあるえみは総合歯科、加藤です。 当院は、歯医者さんの「痛い・怖い・行きたくない」というイメージをなくし、患者様が悩みを相談できてリラックスした状態で治療ができるそんな医院を目指し運営しております。

資格・所属

NPO法人日本歯科予防協会理事/ISOI インプラント認定医/ドライマウス認定医/日本ドライマウス学会会員/日本抗加齢歯学会会員/医療情報技師認定証/ITIインプラント認定/AQBインプラント認定/ザイブインプラント認定/POIインプラント認定/インプラント学会 所属ブローネマルクインプラント認定/SARGONインプラント認定/審美歯科学会認証