マスクの中が臭い=口臭が強い、とは限りません|原因と確かめ方

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マスクと口臭

こんにちは。大阪・梅田の歯科医院、えみは総合歯科 大阪梅田院 理事長の加藤直之です。

マスクをしていて、「自分の息のにおいが気になる」と思ったことはありませんか。

結論から申し上げます。マスクの中でにおいを感じたことと、実際に強い口臭があることは、同じではありません。 マスクは、普段なら空気に散っていくにおいを鼻元にとどめる構造をしているため、においに「気づきやすくなる」だけでも起こります。一方で、時間帯に関係なくにおいが続く場合は、口の中に原因があることもあります。この記事では、その見分け方と、確かめる方法を整理します。

※本記事は、実在の患者さんに基づかない一般的な解説です。実際の診断・治療方針は、診察のうえで判断します。

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マスクをすると、なぜ自分の息のにおいに気づくのか

マスクと口臭

においが外へ逃げず、鼻元に戻ってくる

マスクは口と鼻を覆うため、吐いた息が外に拡散せず、そのまま自分の鼻に届きます。普段なら気づかない程度のにおいでも、濃度が保たれた状態で嗅ぐことになります。

「気づきにくい状態」が一時的に崩れる

厚生労働省の e-ヘルスネット「口臭の原因・実態」は、口臭のように鼻の周囲で常時発生するにおいは嗅覚疲労(順応)という生体反応のため自己評価しにくいと説明しています。私たちは普段、自分のにおいに慣れていて気づきません。マスクはこの状態を一時的に崩すため、「急ににおうようになった」と感じられることがあります。においが強くなったのではなく、気づく条件が変わっただけという場合があるわけです。

口呼吸になりやすく、口の中が乾く

マスクをしていると息苦しさから口で呼吸しやすくなり、口の中が乾きます。唾液が減ると、においのもとになるガスをつくる細菌の活動が抑えられにくい状態になります。

着けている「時間帯」も関係します

同資料は、口臭には日内変動があり、食事やうがいなど口の活動から時間が経つほど、においのもとになる揮発性硫黄化合物(VSC)の濃度が高くなると報告しています。通勤中や長い会議のあいだなど、飲食から時間が空いた時間帯にマスクを着けていれば、もともと濃度が上がりやすいタイミングと重なります。

「マスクの中のにおい」=「自分の口臭」ではありません

ここが、この記事の中心となる点です。

e-ヘルスネット「口臭の原因・実態」は、1992年に18〜64歳の2,672名を対象に機器で測定した調査から、口臭の自己評価と実際の口臭の有無とは相関しないと報告しています。自分の鼻で下した判断は、強いほうにも弱いほうにも外れうる、ということです。

実際、同資料が紹介する大学病院の統計では、口臭の検査・診断・治療を求めて来院した約1,000名のうち、約3分の1は治療の必要な口臭が認められなかったと報告されています。気にして受診された方のうち相当数が、心配された状態ではなかったという結果です。

逆に同資料は、順応のために強い口臭を持つ人が無自覚になりやすいことも指摘しています。気づいたから強い、気づかないから弱い、とは言えません。 だからこそ、感覚に頼らず確かめる手段があると判断しやすくなります。

においの原因は、口の中のどこにあるのか

e-ヘルスネット「口臭の原因・実態」によると、口臭の大部分(80%以上)は口の中から出る気体に由来し、その主な原因物質は硫化水素・メチルメルカプタン・ジメチルサルファイドという3つの揮発性硫黄化合物です。産生される場所としては歯周病と舌の汚れ(舌苔〔ぜったい〕)がほとんどを占め、この2つでは舌苔からの産生量のほうが多いとされています。

また口臭は、誰にでも起こる生理的口臭と、原因となる病気がある病的口臭に分けられます(同「口臭の治療・予防」)。同資料は、自覚がないのに家族から口臭を指摘されるようになった場合は歯周病が原因の可能性があるとして、歯科医院での検査・治療をすすめています。

なお口の中以外では、副鼻腔炎(蓄膿症)などが関わることもありますが、その場合は口臭以外の自覚症状も現れることがほとんどだとされています(同)。

マスクを着ける時間が長い方に、今日からできること

予防

舌の清掃:e-ヘルスネット「口臭の治療・予防」は、生理的口臭の予防には歯磨きに加えて舌清掃を行い、舌苔を除去することが有効な予防法だと説明しています。示されている手順は、鏡を見ながら舌を前に突き出し、舌ブラシを見える最も奥に軽くあてて手前に引く力を入れすぎない回数は起床時の一回で十分(それ以上行うと舌の粘膜を傷つけるおそれがあります)、舌に傷や潰瘍があるときは中止する、というものです。

水分をこまめにとる:口が乾いた状態は唾液の働きが届きにくい状態です。無糖の水やお茶を少しずつとる習慣が、乾きの軽減に役立ちます。

できるだけ鼻で呼吸する:鼻がつまって続けるのが難しいときは、耳鼻咽喉科でご相談ください。

マスクそのものを清潔に保つ:使い捨てのものは適宜交換し、繰り返し使うものは洗って乾かしてから使いましょう。

これらは、においのもとになるガスの発生源を減らすことを目的としたケアです。原因が歯周病などにある場合は、セルフケアだけでは変化を感じにくいこともあります。

続けても気になるとき、歯科で確かめられること

FAQ

当院では、口臭のもとになるガスの成分を、専用の機器で測る検査を行える体制があります。e-ヘルスネットが挙げる3つの原因物質(硫化水素・メチルメルカプタン・ジメチルサルファイド)の量を、約4分で測定します。

3つの成分の出方から、においの由来が舌の汚れ寄りなのか、歯ぐきの状態寄りなのか、口の中以外の要因が関わっていそうなのかという傾向を、その場の数値で確認できます。ただし数値だけで原因が確定するわけではありません。検査の内容と費用、そのあとに必要な検査・治療については、診察のうえでご説明します。

思い当たることがある方は、こちらもあわせてご覧ください。

こんなときは、一度ご相談ください

  • 時間帯に関係なく、においが続いている
  • 家族や周囲の人から指摘された
  • 歯ぐきが赤く腫れている、みがくと血が出る
  • 口の渇きが続いている
  • 舌が痛む、味の感じ方がいつもと違う
  • 詰め物や被せ物のまわりだけがにおう気がする

においの自己評価は当てになりにくいと報告されているからこそ、一度確かめてみること自体に意味があります

大阪・梅田で相談先をお探しの方へ

えみは総合歯科 大阪梅田院は、JR大阪駅直結のグラングリーン大阪 ショップ&レストラン 北館2F(大阪市北区大深町6番38号)にあります。阪急・阪神・大阪メトロ各線からも徒歩約10分です。診療時間は10:00〜18:00、土日祝も同じ時間で診療しています(休診日は年末年始のみ)。お仕事帰りやお休みの日にもお立ち寄りいただけます。詳しくは 診療時間・アクセス をご覧ください。

ご予約・お問い合わせ
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まとめ

  • マスクの中でにおいを感じるのは、においが鼻元にとどまり、気づきやすくなるためです
  • 口臭の自己評価と実際の口臭の有無は相関しないと報告されています。気づいたことは、強い口臭がある証明にはなりません
  • 口臭の8割以上は口の中に由来し、主な出どころは舌の汚れと歯周病だとされています
  • 舌の清掃は起床時に1回、力を入れずに。回数を増やすと舌の粘膜を傷つけるおそれがあります
  • 時間帯に関係なくにおいが続くとき、家族から指摘されたときは、一度確かめてみることをおすすめします

においが気になる状態が続くときは、一度ご相談ください。

この記事の監修・参考情報

監修:医療法人えみは会 理事長 加藤直之(歯科医師)

参考情報

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「口臭の原因・実態」(監修:山賀孝之・松本歯科大学 歯学部 公衆衛生学講座 教授/2019年12月18日 最終更新)

https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-07-001.html

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「口臭の治療・予防」(同監修者/同日付)

https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-07-002.html

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この記事の監修・執筆者

加藤 直之(かとう なおゆき)

医療法人えみは会 理事長
愛知学院大学歯学部卒業。大阪府羽曳野市にて「加藤総合歯科・矯正歯科」を開院。一般歯科から高度なインプラント治療、矯正歯科まで幅広く手掛ける。青山病院にて歯科口腔外科、ドライマウス、舌痛症外来の非常勤講師・担当医を兼任するなど、難治性の口腔疾患や外科的アプローチにおいても深い知見を持つ。

資格・実績

Clinical Oral Implantology (インプラント認定医)NPO法人日本歯科予防協会理事AQBインプラント認定ISOI インプラント認定医、 ザイブインプラント認定、 ドライマウス認定医、 POIインプラント認定、 日本ドライマウス学会会員、 インプラント学会所属、 ブローネマルクインプラント認定、 日本抗加齢歯学会会員、 SARGONインプラント認定、 医療情報技師認定証ITIインプラント認定審美歯科学会認証