歯槽膿漏を放置するとどうなる?原因・症状・全身への影響・治療法と予防を徹底解説

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歯槽膿漏

はじめに|「歯槽膿漏 放置」はなぜ危険なのか?

歯磨きをしているときに血が出たり、歯茎が腫れているのに「まだ痛くないから大丈夫」とそのままにしていませんか?

実はその油断こそが「歯槽膿漏(重度歯周病)」へと進行させる大きな要因です。

歯槽膿漏は、歯を支える歯槽骨が溶けてしまう病気で、放置すると最終的に歯が自然に抜け落ちてしまいます。

しかも、歯だけの問題ではなく、糖尿病や心臓病など全身の健康にも深く関わることがわかっています。

この記事では、歯槽膿漏を放置するとどうなるのかを徹底的に解説します。

さらに、症状の段階ごとのリスク、原因となる生活習慣、歯科医院での治療法、そして日常でできる予防法まで詳しくご紹介します。

歯槽膿漏とは?歯周病との違いと進行の流れ

歯槽膿漏=重度の歯周病

「歯槽膿漏」という言葉は昔から一般的に使われていますが、歯槽膿漏とは、歯周病が重度まで進行した状態を指します。

歯周病の進行段階

歯周病は次のように進行していきます。

  1. 歯肉炎(初期)
    歯茎が赤く腫れ、歯磨き時に出血する。歯槽骨への影響はまだない。
  2. 歯周炎(中期)
    歯と歯茎の間の「歯周ポケット」が深くなり、歯槽骨の破壊が始まる。口臭も強くなる。
  3. 歯槽膿漏(重度)
    歯槽骨が大きく失われ、歯がぐらつき、歯茎から膿が出る。噛むことが困難になり、最終的に歯が抜け落ちる。

(出典:デントヘルス)https://denthealth.lion.co.jp/know/sisounourou/

歯槽膿漏の放置が危険な理由

歯槽膿漏は自然に治ることはなく、進行すればするほど元の状態に戻すことが難しくなります。

だからこそ、「まだ大丈夫」と放置するのが最も危険なのです。

歯槽膿漏を放置するとどうなる?段階ごとの症状と進行リスク

歯肉炎を放置した場合

  • 歯磨き時の出血が慢性化
  • プラークが歯石に変化し、さらに細菌の温床になる
  • 炎症が歯槽骨に波及し始める

中等度歯周炎を放置した場合

  • 歯茎が下がり、歯が長く見える
  • 歯周ポケットが深くなり、汚れが溜まりやすくなる
  • 口臭が強くなり、人間関係にも影響する

歯槽膿漏(重度)を放置した場合

  • 歯がぐらついて噛めない
  • 歯茎から膿が出て口臭が悪化
  • 硬い食べ物を避けるようになり、栄養不足を招く
  • 最終的には歯が自然に抜け落ちる

全身の健康への影響

歯槽膿漏を放置すると、口の中だけでなく全身疾患のリスクも高まります。

  • 糖尿病:歯周病菌による炎症物質が血糖コントロールを悪化させる
  • 心筋梗塞・脳梗塞:歯周病菌が血管に入り込み、動脈硬化を進める
  • 誤嚥性肺炎:高齢者では口腔内細菌が肺に入って炎症を起こす
  • 妊娠への影響:早産・低体重児出産のリスクが高まる

(出典:日本臨床歯周病学会)https://www.jacp.net/perio/effect/

 

歯槽膿漏を放置してしまう人の心理と背景

「痛くないから大丈夫」という誤解

歯槽膿漏は進行しても痛みが出にくいため、気づかないうちに悪化するケースが多い病気です。

忙しさによる歯科受診の後回し

仕事や家事に追われ、つい歯科医院に行くのを先延ばしにしてしまう人も多いです。

恐怖心や費用面の不安

「歯医者は痛い」「お金がかかりそう」という先入観から受診を避けるケースもあります。

しかし、放置した結果、抜歯やインプラント治療など大きな負担につながることを考えると、早期受診の方がむしろ負担は少なくて済むのです。

歯槽膿漏の原因と放置を招く生活習慣

プラークと歯石の蓄積

歯磨き不足でプラークが溜まり、やがて硬い歯石となり、細菌が繁殖します。

喫煙

ニコチンによる血流悪化が歯茎の治癒を妨げ、歯周病を悪化させます。

糖尿病との関係

糖尿病の人は免疫力が低下しやすく、歯槽膿漏が進行しやすい傾向があります。

ストレス・睡眠不足

自律神経の乱れや免疫低下によって炎症が悪化します。

歯槽膿漏を予防するためにできること

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正しい歯磨き習慣

  • 1日2〜3回、1回3分以上
  • 歯と歯茎の境目を意識して磨く
  • デンタルフロス・歯間ブラシを活用する

※正しい歯磨きの角度

(出典:ロート製薬)https://jp.rohto.com/learn-more/bodyguide/pyorrhea/care/

 

舌と口腔内の清掃

舌苔は口臭や細菌繁殖の原因になるため、やさしく清掃しましょう。

食生活の改善

  • 野菜・発酵食品・ビタミン類を意識的に摂る
  • 甘い飲食物やアルコールの摂りすぎに注意

定期的な歯科受診

半年に1度は歯科検診を受け、歯石除去や歯周病チェックを行うことが大切です。

歯槽膿漏の治療方法|放置せず歯科医院へ
HPはなぜ注目されている?

スケーリング・ルートプレーニング

歯石やプラークを徹底的に除去して歯茎を健康に戻します。

歯周外科治療

進行例では歯周ポケットを小さくする外科処置や再生療法を行います。

抜歯と補綴治療

保存不可能な歯は抜歯となり、ブリッジ・入れ歯・インプラントで補います。

治療の目的

  • 炎症のコントロール
  • 歯を可能な限り保存すること
  • 噛む機能を回復させること

歯槽膿漏を放置せず早期受診するメリット

THPはなぜ注目されている

  • 治療が軽度で済む
  • 治療費や通院回数を抑えられる
  • 生活の質(QOL)が向上する
  • 将来的な全身疾患リスクを下げられる

まとめ|歯槽膿漏は放置せず早めの治療を
まとめ

歯槽膿漏を放置すると、

  • 歯を失う
  • 強い口臭に悩まされる
  • 食事や会話に支障が出る
  • 全身疾患リスクが高まる

といった深刻な結果を招きます。

一方で、早期の受診と正しいセルフケアで十分に予防・改善が可能です。

「歯槽膿漏かもしれない」と思ったら、放置せず歯科医院で相談してください。大切な歯と健康を守る第一歩になります。

 

この記事を書いた人

加藤 直之

大阪の梅田にあるえみは総合歯科、加藤です。 当院は、歯医者さんの「痛い・怖い・行きたくない」というイメージをなくし、患者様が悩みを相談できてリラックスした状態で治療ができるそんな医院を目指し運営しております。

資格・所属

NPO法人日本歯科予防協会理事/ISOI インプラント認定医/ドライマウス認定医/日本ドライマウス学会会員/日本抗加齢歯学会会員/医療情報技師認定証/ITIインプラント認定/AQBインプラント認定/ザイブインプラント認定/POIインプラント認定/インプラント学会 所属ブローネマルクインプラント認定/SARGONインプラント認定/審美歯科学会認証