歯茎が下がるのはどうして?原因と効果的な5つの予防法を解説

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こんにちは!

大阪 梅田のえみは総合歯科 理事長 加藤直之です。

「歯茎が下がってきているけれど、原因がわからない」

「一度歯茎が下がったら、元に戻ることはないのかな」

歯茎が下がることで、上記のような不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

歯茎が下がる「歯肉退縮」には、歯周病や加齢などの様々な原因があります。そのため、その原因に合わせて、早急に対応することが大切です。

そこで本記事では、歯茎が下がる原因とリスクについて解説し、予防法を徹底解説します

歯肉退縮と年齢についての関連性も合わせて掲載するので、「自分はまだそんなに高齢ではないけれど、歯茎が下がっている気がする」という方も、ぜひ参考にしてください。

また下記のページでは、当院での初診の方に向けた診療の流れを詳しく記載していますので、気になる方はぜひご覧ください。

歯茎が下がる原因とは

歯茎が下がる原因には、以下の7つが考えられます。

  • 歯周病になっている
  • 歯ブラシの力が強すぎる
  • 歯ぎしり・くいしばりがある
  • 歯並びや噛み合わせが悪い
  • 被せ物が合っていない
  • タバコを吸っている
  • ホルモンのバランスが乱れている

それぞれの原因が理解できるように、詳しく見ていきましょう。

歯周病になっている

歯茎が下がる原因の一つめが、歯周病であることです。

歯周病とは、歯と歯茎の境目に歯垢(歯周病菌の集まり)が溜まることで、歯茎が炎症を起こしたり歯槽骨(歯を支える骨)が溶けたりする病気です。

歯周病の初期段階では、歯茎の腫れ・出血・赤みなどの症状が起こり、進行すると歯周ポケット(歯茎の溝)が深くなって歯茎が下がります。

さらに歯周病が進行していくと、歯槽骨が溶けて歯のぐらつきや歯根の露出といった現象になり、場合によっては歯が抜け落ちる恐れも

歯周病は、日常的なセルフケア不足が原因であることが多いですが、生まれつき免疫力が低い場合や、遺伝などによっても歯周病にかかることがあります。

歯周病の原因について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:歯周病の原因は?悪化させる5つのリスクファクターと進行度別の治療方法

歯ブラシの力が強すぎる

歯ブラシの力が強すぎることも、歯茎が下がる原因の一つです。

健康的な歯や歯茎を保つためには毎日の歯磨きが大切ですが、 歯磨きをする時にゴシゴシ と強い力で磨いてしまうと、歯茎にダメージを与えて歯茎が下がる恐れがあります

とはいえ、 歯磨きがしっかりできていないと歯垢が残り、 歯周病の原因になります。

歯の磨きすぎや磨き残しを防ぐためには、 正しいブラッシングを行うことが大切です。

歯科医院で歯磨き指導を受けると、正しいブラッシングの方法がわかるのでおすすめです。

歯ぎしり・くいしばりがある

歯ぎしりやくいしばりなどの悪習慣が原因で歯茎が炎症を起こし、歯茎が下がる傾向にあります。

特に睡眠中の歯ぎしりは、体重の2~5倍の力がかかると言われています。

睡眠中の歯ぎしりは自分でコントロールすることが難しいため、 マウスピース(ナイトガード)を作ってもらうなどの早めの治療がおすすめです。

歯並びや噛み合わせが悪い

歯並びや噛み合わせが悪いと、部分的に強い力が加わることで歯茎に負担がかかり、歯肉退縮が起きる場合があります。

特に横の方向に力が加わると歯茎が下がることがあるため、 歯ぎしりやくいしばりの癖がある人は注意が必要です。

そして歯並びや噛み合わせが悪いと、歯ブラシが届きにくい部分が多くなるため、歯垢が残って歯周病のリスクが高まることも覚えておきましょう。

詰め物 や被せ物が合っていない

虫歯治療の後に装着した詰め物や被せ物が、以下のように合っていない場合も、 歯茎が下がる傾向にあります。

  • 詰め物や被せ物の噛み合わせが高すぎる
  • 被せ物の辺縁が歯茎に当たる

噛み合わせが高すぎると噛んだときの力がその歯に集中するため、 歯茎にダメージが及んで、歯茎が下がることがあります。

また被せ物の辺縁が歯茎に当たったときも、 歯茎が下がることがあります。

噛み合わせが高すぎると感じた場合は、歯科医院で調整してもらいましょう。

被せ物の辺縁が歯茎に当たっているケースでは、被せ物を新しくやり替える必要があるかもしれません

タバコを吸っている

タバコを吸っていると、タバコに含まれる以下の成分が原因で、歯肉退縮を引き起こすことがあります。

  • ニコチンが血管を収縮させる
  • 一酸化炭素が血液中の酸素が運ばれるのを阻害して酸素不足を引き起こす

これらのことから喫煙の習慣があると、健康的な歯茎を保つために必要な栄養素や酸素が、届きにくくなります。

そしてタバコを吸うと殺菌作用のある唾液の分泌量も低下するため、歯周病のリスクが高まる恐れがあることを覚えておきましょう。

ホルモンのバランスが乱れている

女性ホルモンには、特定の歯周病菌を増やしたり歯周組織の炎症を悪化させたりする作用があるため、男性よりも女性のほうが歯周病にかかりやすいと言われています。

ホルモンのバランスが変化する時期は、免疫力の低下や唾液の分泌量が減少し口の中の環境が悪化しやすいため、思春期・妊娠期・更年期などは、歯肉退縮(歯茎が下がる)が起こりやすくなります

特に妊娠期は女性ホルモンの分泌が急激に増え、「つわりによるブラッシング不足」や「唾液の分泌量の低下による自浄作用の不足」などによって、口内が不潔になりやすいため注意が必要です。

歯茎が下がると起こりうるリスク

次に歯茎が下がることによって起こりうるリスクを、5つ紹介します。

  • 知覚過敏になる
  • 食べ物が挟まりやすくなる
  • 虫歯になりやすくなる
  • 歯がグラグラする
  • 歯が長く見えて老けた印象になる

それぞれのリスクが理解できるように、チェックしていきましょう。

知覚過敏になる

歯茎が下がると、歯根面が露出することで知覚過敏になることがあります。

歯根には歯冠部(歯の頭の部分)とは違いエナメル質がなく、象牙質がむき出しの状態のため、外からの刺激を受けやすくなります

象牙質がむき出しの状態だと、冷たい物がしみるだけでなく、歯ブラシが当たるだけでも痛むことがあるので注意が必要です。

食べ物が挟まりやすくなる

歯茎が下がると、歯と歯のあいだに食べ物が挟まりやすくなります。

歯と歯のあいだの汚れは通常の歯ブラシだけでは除去しにくいため、フロスや歯間ブラシも併用しましょう。

虫歯になりやすくなる

前の項目で解説したとおり、歯茎が下がると食べ物が挟まりやすくなります。

食べ物が挟まると、そこに虫歯菌が繁殖するため、虫歯のリスクが高まります。

特に歯根に虫歯ができた場合は進行が早いため、抜歯になるケースも少なくありません。

歯がグラグラする

歯茎が下がって歯がグラグラするような症状が出てきたら、歯周病が重度になっているかもしれません。

歯周ポケットも深くなっており、歯槽骨(歯を支えている骨)まで破壊されている状態です。歯周病の発見・治療が遅れると、抜歯せざるを得なくなるため注意が必要です。

歯が長く見えて老けた印象になる

歯周病や虫歯になっていない健康なお口の状態であれば、若々しい印象を与えますが、歯茎が下がると、歯自体が徐々に露出して長くなったように見える傾向にあります。

歯が長く見えるようになると、老けた印象を与えてしまいます。

歯茎が下がるのを予防するためには

ここからは、歯茎が下がらないようにするための予防法を、「自分でできること」「歯科医院で行うこと」に分けて紹介します。

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自分でできること

自分でできる予防法は、以下の3つです。

  • セルフケアを見直す
  • 免疫力を高める
  • 禁煙する

健康な歯茎を保てるように、詳しく見ていきましょう。

セルフケアを見直す

歯肉退縮は歯の磨きすぎも原因になるため、強くガシャガシャとブラシを当てないよう、適度な力でブラッシングするように心がけましょう。

歯磨きのときは100~200gのブラッシング圧が適正とされており、歯ブラシを当てたときに毛先が広がらない程度の力を目安にしてください。

「どうしても歯磨きのときに力が入ってしまう」という場合は、歯ブラシの持ち方も見直しましょう。歯ブラシを持つときにペンを持つように握ると、余計な力が入りにくくなります。

歯ブラシの硬さも、「柔らかめ」を選ぶと、歯茎への過剰な負担を抑えられます。

正しいブラッシングの方法を身につけて、歯垢が残らないように意識して磨きましょう。

そしてブラッシングはもちろん、フロスや歯間ブラシによる歯間部の清掃を丁寧に行うことも大切です。

以下の記事では、歯周病の自宅での治し方を詳しく記載していますので、気になる方はぜひ参考にしてください。

関連記事:歯周病の治し方は?自宅での歯磨きでは治せない理由と3つの予防方法

免疫力を高める

バランスの悪い食生活は身体の免疫力を低下させてしまう恐れがあるため、歯茎が炎症を起こして歯茎が下がることがあります。

身体の免疫力を上げるためには以下のように、バランスの良い食生活を心がけてください。

  • 野菜・果物・魚介を食べる
  • インスタント食品やファーストフードはできるだけ避ける
  • 過度な食事制限ダイエットも避ける

そして免疫力を高めるためには、バランスの良い食事はもちろん、新陳代謝を上げる生活も大切です。新陳代謝が上がることで、身体の血流が良くなり免疫力も向上するため、歯周病菌に対する抵抗力が身につきます。

禁煙する

タバコに含まれるタールは、血流を悪くして歯周病になるリスクを高めます。

歯茎が下がる原因で最も多いとされる原因が歯周病のため、禁煙は歯周病予防に効果的です。

また、タバコは歯周病になるしすくを高めるだけでなく、症状の進行も早めてしまいます。理由は、タバコによって酸素が体内に回らなくなり身体の細胞が弱くなるからです。

禁煙することで虫歯や歯周病だけでなく、病気やケガの予防にもつながります

歯科医院で行うこと

次に歯科医院で行う歯肉退縮の予防法は、以下の2つです。

  • メンテナンスを受ける
  • マウスピース(ナイトガード)を作成する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

メンテナンスを受ける

ブラッシングなどのセルフケアだけでは、完全に歯垢を除去することは難しいため、歯科医院で定期的なメンテナンスを受けましょう

メンテナンスで歯茎が下がる原因を把握して、個人に合わせた治療を行うことが大切です。

歯科医院でのメンテナンスでは、一般的に以下のことを行います。

  • レントゲン撮影
  • 歯茎の検査
  • 虫歯や噛み合わせのチェック
  • ブラッシング指導
  • 専門器具を使用した歯のクリーニング

定期的なメンテナンスで、歯や歯茎に異常があったときに早期発見・早期治療ができるため、3~6か月ごとに受けるのがおすすめです。

なお当院では、歯周病の治療を行う際にも詳しい説明を行い、患者様の同意を得てから治療を開始するように努めております。

マウスピース(ナイトガード)を作成する

寝ているときの歯ぎしり・くいしばりは無意識の中で行ってしまうため、自分でコントロールすることは難しいです。

歯を保護するマウスピース(ナイトガード)を寝るときに装着することで、お口へのダメージを軽減できます。

歯茎が下がることに関するQ&A

最後に、歯茎が下がることについてよくある質問を紹介します。

  • 下がる歯茎を自力で戻す方法はありますか
  • 下がる歯茎を戻す治療はありますか
  • 20代や30代で歯茎が下がる原因は何ですか

それぞれの疑問が理解できるように詳しくチェックしていきましょう。

下がる歯茎を自力で戻す方法はありますか

下がった歯茎を自力で戻すことはできません。ただし下がった歯茎を戻すのではなく、戻らないように予防することはできます。

歯肉退縮が初期の場合は、以下の方法で改善できることがあります。

  • 適切な歯磨きの確立:歯磨きは硬すぎない歯ブラシで優しく行う
  • 歯間ブラシの活用:歯と歯のあいだに入り込む歯垢を除去する
  • 健康的な生活習慣の維持:健康的な食事や睡眠、ストレスの軽減などを心がける

正しいブラッシングの方法に関しては、歯科医院でブラッシング指導を受けることがおすすめです。

下がる歯茎を戻す治療はありますか

歯肉移植術と言われる手術を行うことで、下がった歯茎を戻すことが可能です。ほかの歯茎を取ってきて、歯茎が足りない部分に移植する方法です。

この際、自身の組織を移植するため、拒絶反応が起きることは少ないでしょう。

費用に関しては自費治療となるため、高額になる傾向にあります。

歯肉移植術が実際に行われているかは歯科医院によっても変わるので、この手術を検討している方は事前に問い合わせてみるのがおすすめです。

20代や30代で歯茎が下がる原因は何ですか

一般的に20代や30代で歯茎が下がる原因には、以下のようなことが考えられます。

  • 歯周病
  • 歯磨きの力が強い
  • 歯の噛み合わせが悪い
  • 矯正治療

矯正治療は、歯を動かす際に顎の骨に必要以上の力がかかるため、歯茎が下がることがあります。歯肉退縮は加齢だけでなく、若い方でも起きる可能性があることを覚えておきましょう。

まとめ|歯茎が下がる理由と対策を理解しよう

歯肉退縮には、歯周病・過度なブラッシング・女性ホルモンの乱れなどの様々な原因があります。

そして歯茎が下がった場合に起こりうるリスクにも、「知覚過敏の症状が出る」「虫歯になりやすくなる」「歯がグラグラする」などがあります。

歯がグラグラした状態を放置すると、歯が自然に抜け落ちてしまうこともあるため、手遅れにならないように、早急に歯科医院で診てもらいましょう。

当院では、カウンセリングにて患者様の悩みや気になること、症状をお聞きして、オーダーメイドの治療プランをご提案いたします。

スタッフ一同心よりお待ちしていますので、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

加藤 直之

大阪の梅田にあるえみは総合歯科、加藤です。 当院は、歯医者さんの「痛い・怖い・行きたくない」というイメージをなくし、患者様が悩みを相談できてリラックスした状態で治療ができるそんな医院を目指し運営しております。

資格・所属

NPO法人日本歯科予防協会理事/ISOI インプラント認定医/ドライマウス認定医/日本ドライマウス学会会員/日本抗加齢歯学会会員/医療情報技師認定証/ITIインプラント認定/AQBインプラント認定/ザイブインプラント認定/POIインプラント認定/インプラント学会 所属ブローネマルクインプラント認定/SARGONインプラント認定/審美歯科学会認証