歯茎が白い原因12選|症状別の対処法と受診の目安

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こんにちは!大阪 梅田のえみは総合歯科、理事長の加藤直之です。

鏡を見て歯茎が白いと気づき、原因を知りたい方もいるでしょう。

歯茎が白い原因には口腔内の病気と、全身の健康状態が影響している場合があります。

「歯茎が白くても、病気とは限らない」と放置する方もいるかもしれません。しかし、歯茎の色の変化は口腔内の健康状態を示す重要なサインであるため、自己判断せず早めに受診しましょう。

本記事では、歯茎が白い原因と対処法について解説します。受診の目安もお伝えするので、歯茎が白いことに気づいた際の参考になれば幸いです。

当院では、患者さんとのカウンセリングを実施しております。些細なお悩みも、ご相談ください。

歯茎に白いできものができる9つの原因

通常、健康な歯茎の色は薄いピンク色です。しかし、以下の原因により部分的、もしくは全体的に白くなることがあります。

  • 口内炎
  • 歯周病
  • フィステル
  • 骨隆起
  • 白板症
  • 扁平台鮮
  • 口腔カンジダ症
  • ウイルス感染症
  • 口腔がん

それぞれ解説するので、参考にしてください。

口内炎

口内炎の一種であるアフタ性口内炎は口腔内の粘膜に炎症が起こる病気で、歯茎にも発症することがあります。

アフタ性口内炎の症状は歯茎の表面が白い膜に覆われ、食事の際に痛みを伴うのが特徴です。

アフタ性口内炎の原因は、以下を参考にしてください。

  • ストレス
  • 疲労
  • 栄養不足
  • 口腔内不衛生

ストレスや疲労が原因で免疫力が低下すると、口内炎ができやすくなります。また、ビタミンB群などの栄養が不足すると口内炎ができやすいため、バランスの良い食事も重要です。

ほかにも、セルフケアが不十分なために口腔内が不衛生になっても発症すると言われています。

通常、口内炎は3日〜1週間で自然に治りますが、再発することもあります。痛みで食事しにくくなる場合は、歯科医院を受診しましょう。

歯周病

歯周病とは歯茎や歯を支える骨に炎症が起こる病気で赤く腫れるのが特徴ですが、さらに進行すると白くなるケースもあります。

特殊な歯周病の一種である壊死性潰瘍性歯肉炎は、歯茎が壊死し潰瘍を形成する重い病気です。

症状として、歯茎が白っぽく濁り、出血と激しい痛みが伴います。

栄養状態の悪化やストレスが原因と考えられており、特にHIVや白血病などで免疫力が低下している患者さんに多く見られます。

初期の歯周病では自覚症状がほとんどなく、気づいた時にはすでに進行していることも少なくありません。

そのため、定期的な歯科検診やクリーニングで歯周病の早期発見・早期治療に努めることが大切です。

歯周病に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

参考記事:「歯周病 原因」「歯周病 治し方 自宅」

フィステル

歯の根に溜まった膿の出口であるフィステルは、歯根あたりの歯茎にできる白いできもののことです。

症状として、歯茎の表面が白いニキビのように膨らみ、指で押すと潰れて膿が排出される場合があります。さらに炎症が強くなると、痛みを伴います。

フィステルの原因は、歯周病や根尖性歯周炎(根の炎症)などの細菌感染です。そのため、フィステルは自然に治ることがほとんどありません。

放置すると膿が排出されずに根の先に溜まり、症状の悪化や炎症の範囲が広がる可能性があるため、早めに受診しましょう。

フィステルの治療は神経の消毒治療で感染源を除去することが必要です。歯周病や根尖性歯周炎の治療を行うと、フィステルは自然に消失します。

骨隆起

骨隆起は顎の骨が盛り上がった部分の歯茎が薄くなり、こぶがうっすらと見えるため白っぽくなった状態を指します。

指や舌で触ると、表面がツルツルとして硬いのが特徴です。

歯ぎしりや食いしばりによって顎の骨に強い力が加わり続けることが原因で、骨が過剰に発達すると言われています。

骨隆起は病気ではなく、骨の出っ張りであるため、基本的に治療は必要ありません。しかし、日常生活や義歯の装着に支障が出る場合は、歯科医院を受診しましょう。

白板症

白板症は、口腔内の粘膜が白く厚くなる病気のことを指します。

発症しやすい部位は以下のとおりです。

  • 下顎歯茎
  • 頬粘膜
  • 上顎

白板症による病変は痛みは伴わないものの、擦っても取れません。また、白板症の約10%は、がんに進行することがあるため注意してください。

白板症の原因は以下のとおりです。

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白板症は喫煙やストレスなどの心身的な原因の見直しや、口腔内に与える刺激を取り除くことで自然に治るケースがあります。

自覚症状がなく日常生活への支障もありませんが、稀にがん化することもあるため口腔内に白い部分を見つけたら放置せず受診しましょう。

扁平苔癬

扁平苔癬(へんぺいたいせん)は、口腔粘膜や皮膚などにできる慢性的な炎症性疾患です。

口腔内に発症したケースの多くは頬粘膜にレース状もしくは網状の角化が見られ、稀に舌や口唇・歯茎に起こることがあります。

扁平苔癬は自覚症状がない場合から、痛みやしみるような症状を伴う場合など多岐に渡ります。

はっきりとした原因は分かっていませんが、影響として考えられる項目は以下のとおりです。

  • ウイルス感染
  • 金属アレルギー
  • 薬剤アレルギー

扁平苔癬のうちの約1%はがん化すると言われているため、見つけたら歯科医院を受診しましょう。

口腔カンジダ症

口腔カンジダ症とは、真菌の一種であるカンジダ菌が口腔内で増殖することで起こる感染症です。

症状として、歯茎や舌・頬粘膜に白い苔のような膜ができます。また、かゆみや痛みは感じないことが多いものの、口腔内に違和感が生じ、無理に剥がそうとすると出血する場合があります。

カンジダ菌は人間の口腔内に常在する菌であるため、通常は健康状態に問題がない限り発症しません。

ただし、血液疾患や糖尿病を患っている場合や、体調不良などで免疫低下の場合に発症することがあります。

口腔カンジダ症は、早期発見・早期治療が大切です。口腔内に白い膜がみられたら、早めに歯科医院を受診しましょう。

ウイルス感染症

ウイルス感染症とはウイルスが原因で起こる疾患で、口腔内に白っぽい水疱ができることがあります。

口腔内に症状が出る感染症で代表的なものは、以下のとおりです。

  • ヘルペス
  • 手足口病
  • ヘルパンギーナ

ウイルス感染症の症状は、ウイルスの種類によって異なります。一般的には、強い痛みや発熱・倦怠感などの全身症状に加えて、口腔粘膜に水疱などがみられます。

治療としては、ウイルス感染症が治れば症状もなくなるため、歯科医院での処置はほとんどありません。まずは、医療機関を受診することをおすすめします。

口腔がん

口腔がんは口腔内の粘膜にできる悪性腫瘍で、病変には白色の斑点や隆起・潰瘍が挙げられます。

口腔がんで発症する代表的な部位は、以下の3つです。

  • 歯肉がん
  • 舌がん
  • 口腔底がん

発症初期の口腔がんは、口内炎や歯周病と区別がつきません。

口内炎であれば1週間〜遅くても2週間で自然に治りますが、がんは小さくならずに大きくなるケースや硬いしこりになるケースが見られます。

早期の口腔がんであれば、治療も可能です。早期発見・早期治療ができるように、口腔内の異変に気づいたら早めに歯科医院を受診してください。

歯茎が全体的に白くなる3つの原因

歯茎が全体的に白くなるのは、以下3つの原因が考えられます。

  • 貧血
  • 血行不良
  • 低栄養状態

それぞれ詳しく解説するので、参考にしてください。

貧血

血液中の赤血球数が減少する貧血は、進行すると歯茎や粘膜の血色を失い白っぽくなることがあります。

赤血球は酸素を全身に運ぶ役割を担っているため、貧血になると全身に酸素が行き渡りにくくなり、さまざまな症状が現れます。

一般的に、動機や息切れ・めまいなどの全身症状を伴うことが多いですが、軽度もしくは慢性的な貧血は症状がないケースも少なくありません。

貧血による歯茎の白さは口内炎や白板症などの症状と似ているため、自分での判断は困難です。

歯茎の白さ以外に全身症状も伴うようでしたら、歯科医院だけでなく医療機関も受診しましょう。

血行不良

血液の流れが悪くなる血行不良は、歯茎の血色が悪くなり白っぽく見えることがあります。

本来、歯茎は血流が豊富な部位ですが、冷えや喫煙などで血行不良を生じることがあります。

軽度の症状であれば、血行不良が改善すると歯茎は正常な色に戻るため心配いりません。

しかし、喫煙による影響は大きく、煙に含まれる一酸化炭素は口腔内の組織の酸素不足を引き起こします。そのうえ、タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血行不良を引き起こします。

血行を良くする方法は、以下を参考にしてください。

  • 体の冷えを防ぐ
  • 冷たい飲食物を控える
  • 可能なら禁煙する
  • 歯ブラシで歯茎をマッサージする

改善しない場合は医療機関を受診しましょう。

低栄養状態

歯茎はタンパク質やビタミンなどの栄養素によって形成されているため、栄養が不十分な状態が続くと血行が悪くなり白く見えることがあります。

低栄養に陥りやすいのは、以下の状態です。

  • 末期がん
  • 炎症性腸疾患
  • 神経性食思不振症
  • 極端なダイエット

体の組織の中でも、口腔内の粘膜は体調による影響を受けやすいのが特徴です。

一時的な栄養不足である場合は、バランスの取れた食事を心がけて栄養補給をしましょう。

歯茎が白い部分が痛くないときの対処法

歯茎が白い部分が痛くない場合は、以下の対処法を参考にしてください。

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骨隆起は顎の骨が発達した状態で病気ではないため、日常生活や義歯装着に支障がなければそのままの状態で構いません。

骨隆起ができた部位によっては、義歯を装着する際に痛みを伴うケースがあります。支障が出る場合は骨隆起を削る必要があるため、歯科医師に相談しましょう。

自覚症状を伴うことが少ない白板症は、約10%のケースでがん化すると言われているため早めの受診をおすすめします。

口腔カンジダ症は抗真菌薬の塗り薬やうがい薬、服薬が必要です。受診し、歯科医師の指示を受けてください。

歯茎が白くなる原因が体調不良である場合は、原因の治療を行います。改善されない場合は医療機関を受診しましょう。

当院では、初診時にカウンセリングを行っております。口腔内のお悩みなど些細なことでもご相談ください。

歯茎にできた白いできものが痛いときの対処法

歯茎にできた白いできものが痛い場合は、以下の対処法を参考にしてください。

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口内炎の多くのケースでは、3日〜1週間程度で自然に治ります。食事の際に痛みを伴うようなら歯科医院を受診しましょう。

症状に応じて、塗り薬の処方やレーザーによる治療を行います。

原因が歯周病によるものなら、歯石除去などの治療を受けます。また、丁寧なセルフケアが必要となるため、ブラッシング指導やうがい薬の使用も重要です。

改善しない場合は血液検査などを受けるケースもあります。

フィステルは歯周病や神経の治療を行い、根の周りに起きた炎症を取り除くことが必要です。

扁平苔癬の場合は、うがい薬や副腎皮質ステロイド薬を含む塗り薬を使用します。症状によっては歯科用金属に対するアレルギー検査が必要になることもあります。

ウイルス感染症が原因の際は、医療機関を受診しましょう。歯科医院での処置は必要ないケースがほとんどですが、気になる場合は受診してください。

発症初期の口腔がんは口内炎や歯周病との区別がつきません。口内炎は遅くとも2週間程で治るため、長引くようなら早めに歯科医院を受診しましょう。

歯茎が白くなった人によくある質問Q&A

歯茎が白くなった人に良くある質問を、以下にまとめました。

  • 歯茎の白い腫れは市販薬で治るのか
  • 歯茎が白いまま放置するとがんになるのか

歯科医院を受診するべきか悩む方の参考になれば幸いです。

歯茎の白い腫れは市販薬で治りますか?

歯茎の白い腫れが口内炎によるものであれば、市販薬で治ることもあります。

ただし、長引くようなら歯科医院への受診がおすすめです。痛みを伴う口内炎の場合は、症状に応じてレーザーによる治療を行うことがあります。

ウイルス感染症の場合は内服薬が必要な場合もあるため、歯科医院だけでなく医療機関の受診が必要です。

歯周病の場合、市販薬として内服薬や歯磨き粉の購入を検討する方がいますが、一時的な症状を和らげるだけで根本的な治療にはなりません。

歯茎の白い腫れには原因が複数あり、自分での判断は困難です。すぐに受診できず市販薬を使う場合でも、症状が改善しなければ早めに受診しましょう。

歯茎の腫れに関しては、こちらの記事も参考にしてください。

関連記事:歯茎が腫れる原因は?自分でできる応急処置と治し方を徹底解説

歯茎が白いまま放置するとがんになりますか?

歯茎が白い部分を放置したからと言って、必ずしもがんになるわけではありません。

しかし、初期の口腔がんは口内炎や歯周病などと症状が似ているため、判断しにくいのが事実です。

口内炎の場合は3日〜1週間程、遅くとも2週間ほどで治るケースがほとんどです。治りが悪く、徐々に範囲が大きくなっている場合はがんの可能性もあるので早めに受診しましょう。

まとめ|歯茎が白くなったら放置せず受診しよう

歯茎が白くなる原因には、口腔内の病気だけでなく全身的な体調不良も考えられます。

特に、痛みを伴わないケースでは受診のタイミングに悩むかもしれません。

歯茎が白くなる原因を自分で判断するのは難しいため、少し様子を見ても治りが悪い場合は早めに受診しましょう。

発症する部位によっては見つけにくい場合もあるため、定期検診の習慣をつけるのもおすすめです。

当院では、患者さんのさまざまなお悩みをお聞きし、適切な治療法を提案しております。治療後のケアなどもサポートしますので、ご安心ください。

この記事を書いた人

加藤 直之

大阪の梅田にあるえみは総合歯科、加藤です。 当院は、歯医者さんの「痛い・怖い・行きたくない」というイメージをなくし、患者様が悩みを相談できてリラックスした状態で治療ができるそんな医院を目指し運営しております。

資格・所属

NPO法人日本歯科予防協会理事/ISOI インプラント認定医/ドライマウス認定医/日本ドライマウス学会会員/日本抗加齢歯学会会員/医療情報技師認定証/ITIインプラント認定/AQBインプラント認定/ザイブインプラント認定/POIインプラント認定/インプラント学会 所属ブローネマルクインプラント認定/SARGONインプラント認定/審美歯科学会認証