歯の黒い点・線・汚れの6つの原因とは?白くするための治療法も解説
こんにちは!大阪 梅田のえみは総合歯科、理事長の加藤直之です。
歯にある黒い点や線に気付き、そのまま放置してよいものか悩まれている方も多いでしょう。歯が黒くなる原因は、虫歯だけでなく、飲食物やタバコによる変色等も考えられます。虫歯が原因の場合は、放置していると歯が溶けていく恐れがあるので、早急に歯科医院での治療が必要です。
そこで本記事では、歯が黒くなる原因や白くするための治療法について解説します。歯をこれ以上黒くしないための予防法も掲載しているので、歯が黒いことで悩まれている方は、ぜひ参考にしてみてください。
また、当院での虫歯治療は、下記のページで詳しく紹介しています。治療の内容や費用が気になる方は、合わせてチェックしましょう。
目次
歯の黒い点・線・汚れの6つの原因
歯が黒くなる原因には、虫歯以外にも以下のような、飲食物や嗜好品、過去の治療歴が関係しています。原因を自己判断することは難しいので、歯科医院への受診が必要です。
- 虫歯にかかっている
- 飲食物やヤニによって着色している
- プラスチック製の詰め物が変色している
- 金属製の詰め物の成分が溶けだしている
- 歯と歯茎の隙間に歯石が溜まっている
- 歯の神経を抜いている
それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。
虫歯にかかっている
歯が黒くなる原因として、最も多いのが虫歯です。5歳以上の2,259人の被験者のうち、虫歯が一つもない人の割合は、約13%にも満たないという調査結果が報告されています(※1)。
※1参考:令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要
虫歯が進行してエナメル質の下にある象牙質にまで達すると、原因菌が代謝してできた硫化鉄が溜まり、歯が黒く見えるのです。また、飲食物や細胞に由来する色素が歯に付くことも、歯が黒くなるのを助長しています。
虫歯の初期段階では自覚症状がほとんどありません。歯がしみたり、痛みを感じたりする頃には、虫歯が進行している恐れがあるので、早めに歯科医院を受診してください。
飲食物やヤニによって着色している
色の濃い飲食物を習慣的に摂取している方は、歯に着色している可能性があります。色の濃い飲食物の例は、珈琲、赤ワイン、カレー、チョコレート、ぶどう、ブルーベリーなどです。これらの飲食物が口内に滞在する時間が長くなると、徐々に黒く変色していきます。
また、タバコを吸う頻度が高い方は、ヤニに含まれるタールも、歯を黒くする原因の一つです。タールは、唾液中に含まれるペリクルという成分と結合し、歯に着色します。嗜好品である珈琲やタバコは、何れも歯を黒くする因子にあるので、覚えておきましょう。
プラスチック製の詰め物が変色している
過去に虫歯治療を行い、詰め物や被せ物をしている方は、その素材に着目してください。保険適用内で安価に製作できるレジンと呼ばれるプラスチック製の素材は、時間の経過とともに変色しやすいのが特徴です。
レジンは、一般的に3〜4年経つと変色すると言われています。黒くなった詰め物が目立つ場合は、変色しづらい保険適用外の素材に交換するのもおすすめです。
歯の詰め物の種類やメリット・デメリットについて知りたい方は、以下の記事もチェックしてください。
関連記事:歯の詰め物と被せ物の違いとは?素材の種類とメリット・デメリット
金属製の詰め物の成分が溶けだしている
銀歯などの金属製の詰め物や被せ物を使用している場合、熱や酸、ガルバニー電流などによって、少しずつ金属がイオン化して溶けだします。それが蓄積することで、歯や歯茎が黒くなるのです。
また、銀歯の周りに静電気がある場合(帯電)、虫歯や歯周病の原因になるプラークが溜まりやすくなります。金属製の素材は、金属が溶け出すリスクと、虫歯にかかるリスクが高いことによって、歯の黒ずみを誘発します。
歯と歯茎の隙間に歯石が溜まっている
歯の黒い点が歯茎との隙間にある場合は、歯石が原因かもしれません。歯石とは、プラークが唾液に含まれるカルシウムなどの成分によって石灰化した塊のことです。黒い点に以下のような特徴がある場合は、歯石である可能性が高いでしょう。
- 触るとザラザラしている
- 他の部分よりも盛り上がっている
- 歯ブラシで除去できない
黒い歯石は嚥下歯石と呼ばれ、歯周病の原因になります。歯周病は全身疾患にも繋がる恐れがある病気です。歯石は自宅では除去できないため、歯科医院の専門器具によって除去してもらいましょう。
歯の神経を抜いている
重度の虫歯治療で神経を抜いている場合、歯が黒くなっていきます。歯から神経を抜くと、血液が循環しなくなり、血液中の鉄分などが蓄積して黒くなるのです。表面が着色しているわけではなく、歯自体が黒く変色しているため、ホワイトニングや被せ物・詰め物によって白くする必要があります。
また、虫歯治療をしていなかったとしても、歯ぎしりや食いしばりなどで強い衝撃が加わり続けることによって、歯の神経が死んでしまうことがあります。
虫歯が引き起こす黒ずみ以外の3つの症状
歯が黒くなる原因として可能性が高い虫歯は、進行するにつれて、以下のような症状が現れてきます。歯が黒い以外の症状がないから放置してもよい、というわけではありません。何れも進行した虫歯に現れる症状のため、早期発見・治療が重要です。
- 冷たい物・甘い物を食べてしみる
- 歯が痛い
- 歯が溶ける
それぞれの症状について、詳しく見ていきましょう。
冷たい物・甘い物を食べてしみる
虫歯がエナメル質の下にある象牙質まで達すると、冷たい物や甘い物を食べてしみるようになります。露出した象牙質管を通じて、直接神経に刺激が加わるので、しみるという症状を引き起こすのです。
歯がしみる原因としては、虫歯以外にも歯周病や知覚過敏が考えられます。いずれの場合も、ある程度進行していると自然治癒することはありませんので、歯科医院を受診してください。
歯が痛い
痛みを感じて初めて、虫歯を自覚する方も多いです。象牙質まで達した状態では、歯に刺激が加わることで、痛みを感じるようになります。さらに進行し、歯の神経である歯髄にまで達した状態では、何もしなくても激しい痛みを感じることがあるでしょう。
そして、虫歯の進行が歯の根まで及ぶと、噛むと痛い状態に戻るので、痛みが和らいだように感じます。しかし、実際には歯髄が死んでしまったために、痛みを感じないのです。
歯が溶ける
虫歯になると進行とともに歯が溶けていき、最後には歯が崩壊して、根だけの状態になります。虫歯の原因菌は、口内の糖分を原料にして乳酸などの酸を産出します。そして、細菌が固まったプラークの中で酸が大量に産出されることにより、口内のphが酸性になり、歯の表面のエナメル質が溶け始めるのです。
そこで、歯が溶けるのを防ぐために重要な役割を担うのが、唾液です。唾液には口内の酸性をアルカリ性に戻したり、溶けたエナメル質を補強したりする役割があります。しかし、唾液の働きが追いつかないほど、大量の糖分を摂取したり、歯磨きを怠っていたりすると、修復できずに歯は溶けていきます。
歯が黒い状態を治す4つの方法
黒くなった歯を元の色に戻すためには、以下のような治療を行う必要があります。先述した原因によって必要な治療は異なり、虫歯を患っている場合はさらに根本治療が必要です。
- クリーニング
- ホワイトニング
- セラミック治療
- スケーリング
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
クリーニング
歯の表面に付いた飲食物や嗜好品による黒い汚れは、自宅のブラッシングでは落とせません。歯科医院で行うクリーニングでは、歯石や色素を取り除くことで、白い見た目を復活させるだけでなく、口内環境を整えます。
クリーニングの最大のメリットは、根本から口内の健康状態を改善できるので、虫歯や歯周病予防にも効果がある点です。当院では、エアーフローを用いたクリーニングも行っています。歯や歯茎にダメージを与えることなく、歯の黒ずみや着色汚れの掃除が可能です。
ホワイトニング
見た目の美しさを取り戻すことに特化した治療が、ホワイトニングです。漂白ジェルに使用される過酸化尿素と過酸化水素には、着色汚れを透明に分解する働きがあります。また、歯の中の色素も分解するので、本来の歯自体を白くする効果があります。
ただし、虫歯や歯周病を患った状態でホワイトニングを行うと、しみたり、痛みが出たりする恐れがあるのでおすすめできません。まずは、歯科医院で治療してから、ホワイトニングに移りましょう。
当院では、通院して短期間で終わらせる「オフィスホワイトニング」と、自宅でじっくりと自分好みの色にしていく「ホームホワイトニング」という2つの治療法を提供しています。また、歯の黒ずみに直接効果がある光を照射する、ビヨンドホワイトニングを導入しているのも特徴です。
セラミック治療
プラスチック製・金属製の被せ物や詰め物、虫歯が原因で歯が黒ずんでいる方は、セラミック治療がおすすめです。セラミックを使った素材で詰め物や被せ物を作ることで、天然歯のような自然な見た目を実現できます。
セラミック治療で用いられる保険適用外の「ジルコニア」と、非セラミック素材である保険適用内の「レジン」を比較した表は、以下のとおりです。
[table id=175 /]
スケーリング
黒くなった歯石が付いている場合は、スケーリングによって除去する必要があります。スケーラーと呼ばれる器具を使い、歯の表面から歯石やプラークを除去します。その後、歯の表面を滑らかに磨くことで、プラークや歯石がつきづらい歯を作り出すのです。
通常、スケーリングは定期健診やクリーニングの一環として行われます。スケーリングを行えば十分というわけではなく、黒い歯石を付着させないためには、自宅でのプラークコントロールも欠かせません。
歯をこれ以上黒くしないための3つの予防法
歯に黒ずみがある方も、治療を行って白い歯が戻ってきた方も、以下の3つの方法を徹底することで、歯が黒くなるのを防げます。ただし、既に虫歯を患っている方は、進行を止めるのが難しい場合もあるので、歯科医院を受診してください。
- 正しいブラッシングを行う
- 着色しやすい食事の後は必ず歯を磨く
- 定期的にクリーニングを受ける
それぞれの予防法について、詳しく見ていきましょう。
正しいブラッシングを行う
歯が黒くなる全ての原因は、ブラッシング不足が背景にあるといっても過言ではありません。綺麗に磨けているつもりでも、実際には多くの磨き残しがあります。以下のようなポイントに気を付けて、正しいブラッシングを行ってください。
- 1か所を20回以上磨く
- 毛先を歯と歯茎の境目、歯と歯の間にあてる
- 軽い力で小刻みに動かす
また、使用する歯ブラシは、毛先が細く、適度な硬さがあるタイプがおすすめです。歯間ブラシやデンタルフロスも併用することで、プラークや歯石、色素の除去率は上がります。
着色しやすい食事の後は必ず歯を磨く
歯の着色を促す飲食物を口にした際は、すぐに歯を磨くようにしましょう。歯磨きができない状況であれば、水で口をゆすぐだけでも一定の効果があります。着色を促す飲食物が口の中に滞在する時間を減らすことが重要です。また、寝ている間は、洗浄効果がある唾液の分泌量が減るので、就寝前の歯磨きは特に入念に行いましょう。
定期的にクリーニングを受ける
自宅でどんなに丁寧に歯磨きをしていても、奥歯付近や歯周ポケットの奥などを完全に綺麗にするのは難しいです。定期的に歯科医院でクリーニングを受け、歯科衛生士に口内を綺麗にしてもらいましょう。
歯のトラブルがない場合でも、3ヵ月に1回の頻度でクリーニングに行ければ安心です。クリーニングでは、日々のブラッシング方法のレクチャーも受けられるので、自宅のプラークコントロールが上達するというメリットもあります。
歯が黒いに関するよくある質問
- 虫歯じゃないと言われた場合の歯が黒い原因は?
- 歯の黒い線を消す方法は?
- 黒くなった歯を自宅で元に戻す方法はある?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
虫歯じゃないと言われた場合の歯が黒い原因は?
歯が黒くなる原因として、虫歯以外に考えられるのは、着色汚れ(ステイン)です。黒い部分は平らであるのが特徴で、エナメル質の中にステインが入り込んでいます。着色を促す色の濃い飲食物は、以下のとおりです。
[table id=176 /]
歯の黒い線を消す方法は?
歯にステインが入り込んで黒い線になっている場合は、歯のクリーニングやホワイトニングによって消すことが可能です。特に、エアフローを使ったクリーニングでは、歯や歯茎を傷つけることなく、ジェット噴射でバイオフィルムやステインを除去します。
また、歯の汚れを長く放置した結果、石灰化し、黒い線状の歯石となって歯に付着している可能性もあります。歯石は自宅の歯ブラシでは除去できません。歯科医院で行うスケーリングによって除去する必要がありますので、歯科医院を受診しましょう。
黒くなった歯を自宅で元に戻す方法はある?
自宅のブラッシングを徹底することで、歯を黒くする虫歯の進行は防げます。しかし、一度黒くなった歯を、自宅で元に戻すのは難しいです。歯科医院に通う時間がなく、どうしても自宅で歯を白くしたいという方には、ホームホワイトニングという治療があります。
ホームホワイトニングは、患者様の口に合わせて作られたマウストレーと薬液を使うことで、自宅で白さをコントロールしながらホワイトニングできる治療法です。当院では、歯のダメージが少ない「Tion Take Home」というホワイトニング剤を使用するので、痛みや不快感もなく、安心してホワイトニングが行えます。
まとめ|黒い歯を白くするには歯科医院を受診しよう
黒い歯が自然に元に戻ることはほとんどないので、歯科医院で適切な治療を受ける必要があります。また、これ以上黒くさせないためにも、自宅のセルフケアは徹底しましょう。
当院では、遺伝子レベルで虫歯の原因菌を特定できる虫歯治療やホワイトニング、エアーフローを使ったクリーニング、セラミック治療など、歯が黒い原因に合わせた最適な治療を受けられます。黒い歯に対する治療法について、詳しく知りたい方は、下記のページをご覧ください。