虫歯で頭痛が起きるのはなぜ?死亡につながる重い病気はまれ。原因と対処法、受診の目安

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虫歯で頭痛が起きるのはなぜ?

虫歯が進んで歯の内側の神経(歯髄)に炎症が起きると、痛みが歯だけでなく、こめかみや頭のほうまで広がって感じられることがあります。上の奥歯の虫歯が、上あごの骨の中の空洞(上顎洞)に炎症を広げたり、痛む歯をかばって噛み方が偏ったりして、頭痛につながることもあります。虫歯から死亡につながるような重い病気になることはまれですが、強い頭痛に発熱や吐き気、意識がぼんやりするなどの症状が重なるときは、歯科の予約を待たずに、内科や救急を受診してください。頭痛の原因は歯とは限らないため、歯の症状と頭の症状の両方を見て、相談する先を選ぶことが大切です。

先生のひとこと

「歯の痛みが出てるけども、そういう他のところの可能性もね、ちゃんと考えて僕らも対処しないといけないですし。」

理事長 加藤直之のYouTubeの動画(2025年8月22日公開・7分37秒ごろ)より

歯の痛みで受診した方の原因が、歯以外にあった例を話した中の言葉です。

「虫歯で頭痛がするのは、やばいのでは」「このまま放っておくと、死亡することもあるのでは」と不安になって調べている方もいると思います。この記事では、虫歯と頭痛の関係、頭痛が出たときの対処法と相談する先の目安、原因の虫歯の治療と予防を、えみは総合歯科 大阪梅田院がまとめます。

虫歯と頭痛には、どんな関係がありますか?

虫歯から頭痛が起きる道すじと、あわせて知っておきたいことは、次の四つです。

  • 歯の神経の炎症が、こめかみに響く
  • 上の奥歯の炎症が、鼻の奥に広がる
  • 痛む歯をかばい、筋肉がこわばる
  • 頭痛の原因が歯以外のこともある

虫歯と頭痛には、どんな関係がありますか?

最初の三つは、どれも虫歯が進むほど起こりやすくなります。一方で、頭痛は肩こりや寝不足、ほかの病気などでも起こるため、虫歯があるからといって、頭痛の原因が虫歯だとは限りません。

虫歯で、こめかみが痛いのはなぜですか?

虫歯が歯の表面のエナメル質から内側の象牙質へ、さらに神経(歯髄)まで進むと、神経に炎症が起きる歯髄炎になることがあります。梅田院のよくある質問でも、「虫歯が進行すると、歯の神経が刺激されて強い痛みが生じます」と説明しています。歯髄炎の痛みは、脈打つようなズキズキした痛みとして、こめかみや頭まで広がって感じられることがあり、「歯痛と頭痛が同時にある」「歯が痛いし、頭も痛い」「歯の痛みがこめかみまで痛い」と感じる原因になります。

歯の痛みがいったん治まっても、治ったとは限りません。梅田院のよくある質問には、「しかし、その痛みが一時的に消えることもあります。これは治ったのではなく、歯の神経が壊死してしまったためです。」とあります。神経が死んだあとも、歯の中では細菌が増えていくことがあるため、以前ズキズキ痛んだ歯があれば、痛みが消えていても歯科で確かめてください。

上の奥歯の虫歯で、頭痛や鼻づまりが起きることはありますか?

あります。上の奥歯の根の先は、上あごの骨の中にある空洞(上顎洞)に近いことがあります。虫歯が進んで根の先に炎症が起きると、その炎症が上顎洞に広がり、歯が原因の上顎洞炎(歯性上顎洞炎)になることがあります。頭痛のほか、目の下や頬の腫れ、鼻水や鼻づまり、体のだるさが出ることがあります。

神経を取った歯や、神経が死んでしまった歯では、痛みが出ないまま根の先の炎症が進むこともあります。片側の鼻づまりや頬の重さが長引くときは、耳鼻科での診察とあわせて、上の奥歯の状態も歯科で確かめてください。

痛む歯をかばっていると、頭痛が出ることはありますか?

虫歯でしみたり痛んだりすると、無意識に反対側の歯で噛むようになり、噛み方が偏ることがあります。噛み方の偏りや、歯を強くかみしめる癖が続くと、あごの筋肉が疲れて、あごのまわりの痛みや疲れ、こめかみなどの頭痛(緊張型頭痛)につながることがあります。

顎関節症(口を開けるとあごが痛む・音が鳴るなど)は、原因を一つに絞れない病気とされ、片側だけで噛む癖や、上下の歯を接触させ続ける癖なども、あごの関節や筋肉に負担をかける要因の一つに挙げられています。あごの痛みがあるときは、まず今の痛みを和らげる方法を歯科で相談し、そのうえで噛み方の癖や噛み合わせの状態を確かめていく、という順で考えると慌てずに済みます。

虫歯から死亡につながることはありますか?

虫歯から死亡につながるような重い病気になることは、まれです。ただし、虫歯の細菌が血液に入り、まれに脳などに重い病気を起こすことがあります。重い病気の例には、脳に炎症が起きる脳炎や、脳の静脈に血のかたまりができて詰まる脳静脈血栓症などがあります。虫歯菌(虫歯の細菌)が脳に到達して、こうした病気を起こす確率は低いと考えられていますが、糖尿病や慢性腎臓病など、体の抵抗力(免疫)が弱くなる病気がある方は、細菌が広がりやすくなるため注意が必要です。

頻度は高くありませんが、次のような症状があるときは、歯科の予約を待たずに、内科や救急を受診してください。

  • 強い頭痛に、発熱が重なっている
  • 吐き気や、くり返す嘔吐がある
  • めまいがある、意識がぼんやりする
  • けいれんが起きた

虫歯で頭痛が出たときは、どう対処すればよいですか?

虫歯で頭が痛いのに、すぐに歯科へ行けないときは、次のような方法で痛みが和らぐことがあります。どれもその場しのぎの方法で、原因の虫歯は治らないため、できるだけ早く歯科を受診してください。

  • 市販の痛み止めを、説明書の用法・用量を守って使う
  • 腫れや熱っぽさがある所を、頬の外側から冷やす

痛み止めは、持病がある方や、ほかの薬を飲んでいる方、妊娠中の方は、薬剤師や医師に相談してから使ってください。決められた量や回数を超えて飲まないでください。

日本歯科医師会の「お口の119」は、歯が浮いたようになって熱を持って腫れているときは、冷やすと楽になるとしています。あごの筋肉の痛みでは、痛みが強い時期は冷やし、落ち着いてから蒸しタオルなどで温める、という手入れが紹介されています。どちらの対処法でも、痛みが和らいだからといって、受診を先に延ばさないでください。

歯科・内科・救急、どこに相談すればよいですか?

症状の組み合わせごとに、まず相談する先の目安をまとめます。

  • 歯がしみる・痛む・腫れていて、こめかみや頭も痛い:歯科
  • 以前ズキズキ痛んだ歯の痛みが、急になくなった:歯科(神経が死んでいることがあります)
  • 歯が溶けてきた、欠けてきた:歯科
  • 片側の鼻づまりや頬の重さが長引き、上の奥歯にも違和感がある:歯科と耳鼻科
  • 歯の症状がほとんどないのに、頭痛が続く:内科など(頭痛の原因が歯以外にあることがあります)
  • 強い頭痛に、発熱・吐き気・意識がぼんやりするなどが重なる:内科や救急

虫歯が原因の頭痛には、どんな治療をしますか?

頭痛の原因が虫歯の場合は、原因の虫歯を治療して、痛みのもとを取り除いていきます。虫歯による頭痛は、原因の虫歯を治療しないと繰り返すことがあります。治療の方法は、虫歯の進み具合で変わります。

  • 早い段階の虫歯:虫歯が歯の表面の層にとどまる場合は、すぐに削らず、フッ化物の利用と、歯垢をきちんと落とす手入れを続けながら、変化を見守ることがあります。
  • 歯に穴があいた虫歯:虫歯になった部分を削り、詰め物や被せ物で補います。
  • 神経まで進んだ虫歯:歯の根の中の神経と、そのまわりの細菌に感染した部分を取り除き、再び感染が起こらないように材料を詰める「根管治療」を行います。そのあと、多くの場合は土台を立てて被せ物をします。
  • 残せないほど進んだ虫歯:歯を抜いて、インプラント・ブリッジ・入れ歯のいずれかで補います。

厚生労働省の e-ヘルスネット「むし歯」は、初期のむし歯はフッ化物の利用に加えて、歯垢をきちんと落とす手入れなどによって回復することがある一方、進むと歯を削ったり、歯の神経を取ったりする大きな治療が必要になると説明しています。神経まで進む前に治療を始めれば、神経を取る治療を避けられることがあります。虫歯で歯を抜く必要がある場合と、そのあとの治療は、虫歯で抜歯が必要なケースについての記事で説明しています。

虫歯による頭痛を繰り返さないために、何ができますか?

虫歯の多くは、歯ブラシが届きにくい奥歯の溝や、歯と歯の間から始まります。毎日の手入れでは、次のことを心がけてください。

  • フッ化物配合の歯みがき剤を使い、力を入れすぎずに磨く
  • 歯と歯の間は、デンタルフロスや歯間ブラシで手入れする
  • 甘い物や甘い飲み物は、量だけでなく、口にする回数を減らす
  • 食後は口をゆすぐか歯を磨き、食べ物を長く口に残さない

梅田院のよくある質問でも、歯磨き粉を多量に使って強く磨くと、歯や歯ぐきに傷を付ける可能性があるため、力を抜いて磨くことが重要だと説明しています。歯間ブラシは歯と歯のすき間に合った大きさを選ぶ必要があり、分からないときは歯科衛生士に相談してください。

それでも、家での手入れだけで汚れを毎日すべて落とすことは、現実にはできないと考えられています。e-ヘルスネット「むし歯」も、むし歯予防には、セルフケアとほかの予防法を組み合わせることが必要だとしています。定期的に歯科で検査を受けると、自覚症状の少ない早い段階で虫歯に気づくきっかけになります。梅田院では、虫歯や歯周病の検査と、歯垢・歯石を取り除くクリーニングを行っています。

歯は痛くないのに、虫歯で頭痛が起きることはありますか?

歯の痛みがまったく無いまま、虫歯で頭痛が起きることは多くありません。虫歯で頭痛が起きるのは、多くの場合、虫歯が歯の神経(歯髄)まで進んだときで、そのころには、ズキズキした歯の痛みが先に出ていることが多いためです。歯の症状がまったくないのに頭痛だけが続く場合は、虫歯以外の原因も考えて、内科などでの相談も検討してください。

ただし、以前痛んだ歯の痛みが消えた場合は、神経が死んで痛みを感じなくなっていることがあります。思い当たる歯があるときは、歯科で確かめてください。

後頭部の頭痛は、虫歯や歯周病と関係がありますか?

痛む歯をかばう噛み方で筋肉がこわばると、頭のまわりから後頭部にかけて痛むことがあります。歯周病で歯がぐらついたり、噛むと痛んだりする場合も、同じように噛み方が偏ることがあります。

ただ、後頭部の頭痛は、疲れや寝不足、仕事のストレスなどが重なって起きていることも少なくありません。入浴やマッサージで一時的に楽になっても、歯や噛み合わせに気になる所があれば歯科で、頭痛が続くときは内科などでも相談してください。

この記事の出典と、梅田院の案内で確かめたこと

この記事は、次の公的な情報と、えみは総合歯科 大阪梅田院が公開している案内をもとに、2026年10月に書き直しました。

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「むし歯」:「初期のむし歯はフッ化物の利用に加えて、適切なプラークコントロール等により回復することがあります。しかし、進行すると歯を削ったり、歯の神経(歯髄)を取り去るような大きな治療が必要になります。」「むし歯の多くは、歯ブラシの届きにくい奥歯の溝や歯と歯の間から発生します。」
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「むし歯の治療の流れ」:「むし歯が歯の表層に限られる場合は、削らず再石灰化を期待します。」
  • 梅田院のよくある質問:歯の神経が刺激されて強い痛みが出ること、痛みが一時的に消えても治ったのではないこと、歯みがきの力の入れ方。
  • 梅田院の初めての方への案内:初診の検査(レントゲン検査、歯周病検査、虫歯検査、細菌検査など)と、その結果をもとに治療計画を立てること。
  • 日本歯科医師会 テーマパーク8020「むし歯」・「お口の119 歯がズキズキする」:虫歯が神経まで進むと、神経が死んで中で細菌が増え、歯の根の先に炎症が起きることがあること。歯がズキズキするときの応急の対処(痛み止め・冷やす)と、痛み止めだけでは治らないこと。
  • 日本歯科医師会 テーマパーク8020「顎関節症」・「顎関節症(治療とセルフケア)」・「かみ合わせの異常」・「非歯原性歯痛」:顎関節症の原因と、冷やす・温める手入れ。かみしめの癖で筋肉が疲れると緊張型頭痛が起こること。上顎洞の場所と、歯の痛みの原因が歯以外にあることがあること。

囲みの言葉は、動画の字幕から、語を変えずに句読点だけを足して写したものです。

梅田院で相談するには、どう伝えればよいですか?

歯の痛みや、歯が原因かもしれない頭痛が気になるときは、予約のときに「歯が痛く、頭痛もある」「以前痛んだ歯の痛みが急になくなった」など、今の症状をそのまま伝えてください。梅田院では、初診の検査としてレントゲン検査、歯周病検査、虫歯検査、細菌検査などを行い、その結果をもとに治療計画を立てています。虫歯の進み具合を検査したうえで、治療方法をご提案します。

強い頭痛に発熱や吐き気、意識がぼんやりするなどの症状が重なっているときは、歯科の予約を待たずに、先に内科や救急を受診してください。

えみは総合歯科 大阪梅田院は、大阪府大阪市北区大深町6番38号にあり、電話番号は06-4256-5871です。医院については、医院の案内をご覧ください。

  • 監修: 加藤 直之(歯科医師/医療法人えみは会 理事長)|最終確認日: 2026-10-15

この記事の監修・執筆者

加藤 直之(かとう なおゆき)

医療法人えみは会 理事長
愛知学院大学歯学部卒業。大阪府羽曳野市にて「加藤総合歯科・矯正歯科」を開院。一般歯科から高度なインプラント治療、矯正歯科まで幅広く手掛ける。青山病院にて歯科口腔外科、ドライマウス、舌痛症外来の非常勤講師・担当医を兼任するなど、難治性の口腔疾患や外科的アプローチにおいても深い知見を持つ。

資格・実績

Clinical Oral Implantology (インプラント認定医)、 NPO法人日本歯科予防協会理事、 AQBインプラント認定、 ISOI インプラント認定医、 ザイブインプラント認定、 ドライマウス認定医、 POIインプラント認定、 日本ドライマウス学会会員、 インプラント学会所属、 ブローネマルクインプラント認定、 日本抗加齢歯学会会員、 SARGONインプラント認定、 医療情報技師認定証ITIインプラント認定、 審美歯科学会認証