インプラント治療後の歯磨き粉は何がいい?選び方やポイントについて解説

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こんにちは!大阪 梅田のえみは総合歯科、理事長の加藤直之です。

「インプラントを天然歯と同じ歯磨き粉で磨いて大丈夫なのか不安」

「フッ素入りの歯磨き粉を使用しないほうがいいと聞いたことがある」

上記のように、インプラント治療後の歯磨き粉は何を使ったら良いのか悩んでいる方は少なくありません。

そこでこの記事では、以下の内容について分かりやすく解説しています。

  • フッ素入りでも大丈夫か
  • 研磨剤が入っていても大丈夫か
  • 歯磨き粉の化粧品と医薬部外品の違い
  • 歯磨き粉だけでなくインプラントにおすすめの歯間ブラシ

インプラント術後における毎日の口腔ケアはとても大切なので、本記事を参考に不安や疑問を解消し、治療後も日々のお手入れを欠かさず行いましょう。

また、当院でのインプラント治療については下記のページでも詳しく紹介しています。治療法や治療症例なども記載されていますので、お気軽にご覧ください。

当院のインプラントの特徴について詳しくみる

インプラントに市販の歯磨き粉は使える?

インプラントに使用する歯磨き粉は、選ぶポイントに気をつけていれば市販の歯磨き粉を使用しても問題ありません。

歯磨き粉を選ぶポイントは以下の3点です。

  • フッ素入り歯磨き粉は使える
  • 粒子が粗い研磨剤入りの歯磨き粉は避ける
  • 化粧品より医薬部外品の歯磨き粉がおすすめ

選ぶポイントを理解して、適切な歯磨き粉を選びましょう。

フッ素入り歯磨き粉は使える

まず結論として、インプラントはフッ素入りの歯磨き粉を使用しても問題ありません。

市販の歯磨き粉に含まれるフッ素は、唾液によって薄まるためインプラントに与える影響は小さく、インプラントを腐食させるリスクはないといえるでしょう。

また、フッ素入りの歯磨き粉は虫歯予防や口内ケアのためにも有効であることから、フッ素入りの歯磨き粉はインプラント術後であっても使用することが推奨されています。

フッ素がインプラントに影響を及ぼすと噂される理由

「フッ素がインプラントによくない」とされている原因としては、2016年にフッ素研究会により発表された内容が深く影響していると考えられます。

具体的には、「9000ppm以上の高濃度フッ素を含有するフッ素塗布剤では著しいチタンの腐食が認められ、pHと溶存酸素濃度が低い口腔内環境では、さらにチタンの腐食が進む」というような内容が記載されています。

そして、インプラントの部品にはチタンが使用されていることから「フッ素がインプラントに悪影響を与える」といった考え方が広まりました。

日本国内の製造販売認証基準において、フッ素濃度は1500ppm未満と決められており、発表にあったようなフッ素濃度9000ppmを超える歯磨き粉は日本では存在しません。

ただし、日本の基準とは異なる海外製など高濃度フッ素が配合されたものを使用する場合には、かかりつけの歯科医師に相談したうえで使用を開始することをおすすめします。

(引用:e-ヘルスネット

専門の学会でもフッ素入り歯磨き粉を推奨

『日本口腔インプラント学会誌』では、「インプラント利用者にフッ素配合歯磨剤の利用を中止する利益はなく、中止によるう蝕リスクの増加が懸念される」という内容が記載されています。

すなわち、インプラント治療後であっても、フッ素入り歯磨き粉を使用することが推奨されているのです。

実際に、歯磨き粉に含まれるフッ素は規定によりインプラントに影響のない濃度であることや、唾液により薄まることから、インプラントを腐食させるリスクは高くありません。

そのため、インプラント術後でもフッ素入り歯磨き粉を使用しても大丈夫ということになります。

フッ素は天然歯の虫歯のリスクを軽減し、口腔ケアに有効な効果があるため、天然歯が多く残存している場合は、フッ素が配合されている歯磨き粉を使用すると良いでしょう。

参考文献:日本口腔インプラント学会誌

粒子が粗い研磨剤入りの歯磨き粉は避ける

粒子の粗い研磨剤が入っている歯磨き粉は、避けた方が良いでしょう。

粒子が粗い研磨剤が入っている歯磨き粉を使用すると、大きな粒子がインプラントと歯茎の間に入り込み、歯茎に炎症を起こしてしまう可能性があります。

粒子の粗い研磨剤は、インプラントだけでなく天然歯にも悪影響とされているため、研磨剤入りの歯磨き粉を使用したい場合は、炭酸カルシウムやケイ素といった粗い粒子が入っていないものを選ぶのがおすすめです。

化粧品より医薬部外品の歯磨き粉がおすすめ

歯磨き粉は医薬部外品化粧品の2つに分類されており、それぞれ以下のような特徴があります。

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医薬部外品における有効成分には、フッ素以外にもヤニの除去効果が期待できるポリエチレングリコールなどが含まれます。

また、医薬部外品の歯磨き粉は、歯を綺麗にするだけでなく虫歯や歯周病などの予防にも繋がるためインプラント周囲炎を予防したい方は医薬部外品の歯磨き粉がおすすめといえます。

インプラント治療後に歯磨き粉以外のおすすめグッズは?

インプラント治療後は、インプラント周囲炎をはじめとしたトラブルを回避するためにも丁寧なケアを行うことが大切です。

ここでは、インプラントに対しておすすめの歯間ブラシやグッズを以下の5つにまとめました。

  • タフトブラシ
  • スーパーフロス
  • コンクール ジェルコートIP
  • ソニッケアー

それぞれの特徴を知り使い分けることで、インプラント周囲炎のリスク低下はもちろん、天然歯の虫歯予防や口腔内のトラブル回避の効果が期待できます。

タフトブラシ

タフトブラシはヘッドが小さく、細かい部分の清掃がしやすい作りになっています。

そのため、インプラント根元部分の段差や、内側などの細かい箇所も清掃しやすいでしょう。

また、天然歯の奥歯といった、普通の歯ブラシでは磨きにくい部分でも毛先が届きやすいので、仕上げに適した歯ブラシです。

引用:ライオン歯科衛生研究所

スーパーフロス

市販のフロスはもちろんのこと、スーパーフロスもおすすめです。

スーパーフロスは、先が固く歯と歯の間にフロスが通りやすい形状をしており、一般的なフロスとは異なります。

中心部分にスポンジがついており、スポンジの柔らかい部分で汚れを掻き出すように絡めとるため、インプラントの清掃にも最適です。

インプラントの清掃をする際、「歯間ブラシだと入りにくいけどフロスだとスカスカに感じる」という場合は特におすすめです。

引用:FEEDデンタル

コンクール ジェルコートIP

引用:ウエルテック

『コンクール ジェルコートIP』はフッ素が無配合のため、チタンインプラントを腐食させるリスクを取り除きたい方におすすめの歯磨き粉です。

また、コンクール ジェルコートIPは、医薬部外品であり虫歯の発生や予防、歯周病、口臭予防の効果が期待できます。

ソニッケアー

ソニッケアーは、毛先の高速かつ幅広い振幅により歯間や歯周ポケット内のプラークを除去する効果があります。

実際に、電動歯ブラシを使うことで、手磨きと比べブラッシング圧が30%〜50%程度軽減するという研究結果も発表されました。

ブラッシング圧が少ないことから、歯面の摩耗や歯肉退縮の心配がなく、インプラントや被せ物にも安心して使用することが可能です

参考:PHILPS

インプラント施術後の歯磨きで気をつけること

インプラント治療は一度の手術で全てが完了するわけではありません

インプラント治療は最低でも2ヶ月、長くて半年ほどの期間をかけて行われる治療です。

具体的に、インプラント手術には一回法と二回法があり、治療の段階によって口腔内の状態が異なるため、各段階に応じて日々の歯磨きで気をつけるべきポイントが異なります

そこでここでは、歯磨きで気をつけるポイントを以下の3点にまとめました。

  • インプラント術後(一回法)の歯磨き
  • インプラント術後(二回法)の歯磨き
  • 人工歯を装着した後の歯磨き

各段階で適切に歯磨きをおこなうことで治療がスムーズに進むだけでなく、インプラントの寿命を延ばすことにも繋がるため、ぜひ参考にしてください。

インプラント術後(一回法)の歯磨き

一回法は手術が一回で手術が終了する方法で、術後はインプラントの頭部が歯肉の外に出ている状態です。

術後は傷になっているため、傷口を刺激してしまうと炎症を悪化させる可能性があります。

そのため、インプラントを埋め込んだ場所にはできるだけ触れず、うがいも優しく行うようにしましょう。

ちなみに、治療を行った箇所以外の歯は通常どおり磨いて問題ありません。健全歯を磨く際には、傷口に刺激を与えないよう、柔らかい歯ブラシを使用し優しく磨くことを心がけてください。

傷が塞がるまでは、毛の柔らかい歯ブラシを使って優しく磨き、傷口が落ち着いてきたら歯科医師に相談した後に歯ブラシを変えるとよいでしょう。

インプラント術後(二回法)の歯磨き

二回法の場合は、インプラント自体が歯肉に埋まっているため、インプラントを磨くことができません

二回法は手術を二回行う治療法で、一回目の手術でインプラントを埋め込みますが、この時インプラントは歯肉に埋まった状態となります。

二回目の手術の時に上部構造を装着することから、その時点でやっとインプラントを埋めた箇所を磨くことができます。

当院では一回目の手術をおこなった後の歯磨きは、従来どおり「手術をした箇所以外の歯」の歯磨きを行ってください。抜糸後、専用の歯ブラシで担当医や歯科衛生士の指導のもと歯肉マッサージを行います。

人工歯を装着したあとの歯磨き

人工歯を装着した後は、他の歯と同じように人工歯も歯磨きを行わなければなりません

インプラント自体は虫歯になることはありませんが、歯肉がある以上「インプラント周囲炎」になる可能性があるため、フロスや歯間ブラシを使用した歯間部の清掃がとても重要となります。

インプラントした箇所が歯周病になると、インプラントの脱落リスクが高まるので、日々の歯磨きを丁寧に実施しましょう。

インプラントの歯磨き粉でよくある質問

インプラントにおける歯磨き粉でよくある質問は以下の2つです。

  • インプラントに歯磨き粉のシュミテクトを使っても大丈夫ですか
  • インプラントを入れた直後は歯磨きしない方がいいですか

インプラントに歯磨き粉のシュミテクトを使っても大丈夫ですか

インプラントに『シュミテクト』を使用しても問題ありません

インプラントに使われているチタンは高濃度のフッ素によって腐食する恐れがあります。

しかし、一般的な歯磨き粉に含まれるフッ素の含有量では腐食するリスクはありません。

一般的な歯磨き粉に含まれるフッ素は1500mmpまでと厚生労働省によって上限が決められており、1500mmpのフッ素濃度であればインプラントがダメージを受けることはないため、シュミテクトを使用しても問題はないといえます。

インプラントを入れた直後は歯磨きしないほうがいいですか

インプラント以外の歯は通常どおり歯磨きできます。しかし、一回法でインプラントの治療を受けた場合、治療直後は歯ブラシを当てないようにしてください。

また、二回法で治療を受けた場合、当院では抜糸後、専用の歯ブラシで歯肉のマッサージを行います。

インプラント治療後の歯磨きに関しては歯科医師と相談して行うと良いでしょう。

まとめ|インプラントに適した歯磨き粉で長持ちさせよう

インプラント治療後の歯磨き粉はフッ素入りのものでも使用できます。

 

ただし、粗い研磨剤が入った歯磨き粉を使用すると歯茎に炎症を起こす可能性があるため、極力避けた方がよいでしょう。

また、インプラント治療が完了した際は、歯ブラシの他に補助用具として以下のグッズを用いてケアするのがおすすめです。

  • フロス、スーパーフロス
  • 歯間ブラシ
  • タフトブラシ

また、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることも、インプラント治療後のトラブルを予防・回避する上でとても重要となります。

当院は、他院で入れたインプラントのトラブルであっても診察をしています。

インプラント治療で気になることがある場合は、どんな些細なことでも当院に相談してください。

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この記事を書いた人

加藤 直之

大阪の梅田にあるえみは総合歯科、加藤です。 当院は、歯医者さんの「痛い・怖い・行きたくない」というイメージをなくし、患者様が悩みを相談できてリラックスした状態で治療ができるそんな医院を目指し運営しております。

資格・所属

NPO法人日本歯科予防協会理事/ISOI インプラント認定医/ドライマウス認定医/日本ドライマウス学会会員/日本抗加齢歯学会会員/医療情報技師認定証/ITIインプラント認定/AQBインプラント認定/ザイブインプラント認定/POIインプラント認定/インプラント学会 所属ブローネマルクインプラント認定/SARGONインプラント認定/審美歯科学会認証