インプラントかブリッジか?費用・寿命などの違いやメリット・デメリットを徹底比較
こんにちは!大阪 梅田のえみは総合歯科、理事長の加藤直之です。
歯を失ったあとの治療方法として、インプラントかブリッジを提案されることが多いのではないでしょうか。治療方法を選択するには、それぞれの違いやメリット・デメリットを理解することが大切です。
本記事では以下の項目について解説します。
- インプラント・ブリッジ・入れ歯の違い
- インプラントとブリッジのメリット・デメリット
- ブリッジからインプラントへ変更可能か
- インプラントブリッジの流れや費用
歯を失った後の治療方法に悩む方の参考になれば幸いです。
また、当院ではカウンセリング時に患者様の不安や治療に対する疑問などを伺い、しっかりと説明させていただいております。治療の流れなどもあわせてご覧ください。
目次
インプラント・ブリッジ・入れ歯の違いを5項目で比較
歯を失ったときの治療方法として提案されるインプラント・ブリッジ・入れ歯の違いは下表のとおりです。
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項目ごとに詳しくお伝えします。
治療費用
インプラントは保険適応外の治療方法で、保険適応であるブリッジや入れ歯と比べると治療費用は高額になります。当院でのインプラントにかかる費用は以下のとおりです。
- 1次手術:462,000円
- メンテナンス:5,000〜15,000円/回
インプラントを埋め込む本数や骨の状態によって処置内容が追加されるケースもあるため、費用が変わることを理解しておきましょう。
ブリッジや入れ歯は基本的に保険適応の治療方法のため、原則3割負担です。
ブリッジは保険適応の被せ物で治療すると1本3,000円前後となり、見た目が悪く感じる場合は保険外の被せ物も選択できます。
入れ歯は見た目の悪さや外れやすさなどの悩みを持たれる方が多いですが、見た目やフィット感に優れた保険適応外の入れ歯もあります。当院で扱っている保険外の入れ歯の費用は以下のとおりです。
- ノンクラスプデンチャー:片顎21,800円
- コンフォートデンチャー:片顎385,000円
- BPS生体機能的精密義歯:片顎約550,000円
インプラントなどの保険適応外の治療費用は、デンタルローンや医療費控除などを利用すると支払い時の負担を軽減できます。詳しくはこちらの記事もあわせてご覧ください。
関連記事:インプラント治療に保険は適用できる?生命保険や医療費控除についても解説
平均寿命
インプラントの平均寿命は10年と言われており、10年生存率(10年後も問題なく使用できている)は90%を超えます。
アンケート調査では、問題なく使用できる見込み年数として20年という回答が多く見られることから、メンテナンス次第では10年以上の寿命が期待されています。
参考:日本口腔インプラント学会「インプラント治療に対する患者の意識調査」
一方ブリッジは7〜8年で交換するケースが多く、10年生存率は50〜70%です。
土台となる歯の虫歯や歯周病、根の先の炎症などのトラブルが原因となり、ブリッジの作り直しや状態によっては抜歯が必要になるケースもあります。
入れ歯の寿命は4〜5年と言われていますが、口腔内の変化や入れ歯の劣化から4年よりも早い2〜5年で作り直すケースが一般的です。
ブリッジや入れ歯と比べるとインプラントは耐久年数が長く、定期的にメンテナンスを受け、手入れすれば10年以上もつといえるでしょう。
インプラントの寿命についての詳細を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:インプラントの寿命はどれくらい?寿命を延ばす対策や再手術の費用も解説
治療方法
インプラントは顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込むため、外科手術が必要です。
歯を失った部分に埋め込んだ人工歯根が土台となり被せ物をするので、周りの歯に負担をかけません。
ただし、顎の骨の状態や全身状態などによっては、インプラントを希望しても治療できないことがあります。
ブリッジは失った歯の部分に人工歯の橋渡しをするために、両隣の歯を全周1.0〜1.5mmほど削らなければなりません。土台となる歯は健康な状態でも削る必要があり、失った歯が増えるほど土台の負担は増えるでしょう。
もちろん、土台となる歯に歯周病などのトラブルがないことが前提で、全身状態などは関与しません。
そして、入れ歯は失った歯の両隣に金属のバネをかけ人工歯で補う治療方法で、取り外しが必要です。
バネをかける歯には負担がかかり、しっかり固定できないことから安定して噛みにくくなります。
バネがかかる歯は多少削る必要がありますが、ブリッジほどの量ではなく、全身状態なども関与しません。
治療・メンテナンスの期間
インプラントの治療期間は手術後に骨と定着するまで待つ期間が必要となるため、最短でも下顎で2〜3ヶ月ほど、骨の柔らかい上顎は3〜6ヶ月ほどです。
インプラントを埋め込む顎の骨の量が少ない場合は、骨を増やす処置が必要となり、治療期間は半年〜1年ほどかかるケースも少なくありません。
ブリッジは型取りから装着まで2〜3週間ほどの期間で治療が完了するため、比較的早く噛み合わせを戻せる方法といえるでしょう。
入れ歯は型取りから数えて4〜5回ほどの通院が必要となり、治療期間は1ヶ月ほどです。
抜歯後の傷口が治る期間には個人差があり、入れ歯が完成しても馴染むまでは細かな調整が必要となります。
ブリッジや入れ歯は比較的短期間で治療が完了し、インプラントは時間のかかる治療方法といえるでしょう。
どの方法も長く使い続けるには定期的なメンテナンスが必要で、一般的には3〜6ヶ月ほどの間隔での受診がおすすめです。
治療後の印象
インプラント・ブリッジ・入れ歯の治療後の印象について5項目を下表で比較しました。
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見た目では自然に見えるインプラントに軍配が上がりますが、保険外の素材を選択すればブリッジや入れ歯でも改善できます。
どの治療方法でも清掃状態が悪ければ口臭は起こるため、歯磨きなどのセルフケアやメンテナンスが重要です。
違和感や噛んだときの感覚、味覚は、インプラントもブリッジも天然歯との差は感じにくく、自分の歯と同じように噛めます。
入れ歯は装着時の異物感に慣れないケースが多く、天然歯と比べて噛みにくさを感じてしまいます。
また、保険の入れ歯はプラスチックで作られているため熱を感じにくく、天然歯と比べて味を感じにくい方は少なくありません。
総合的に、インプラントは見た目や噛んだときの感覚などの視点からみても優れた治療方法といえるでしょう。
インプラントかブリッジか?どっちがおすすめ?
噛み合わせを戻す方法として3つの治療方法を比較しましたが、実際にどの方法が良いのか判断に悩む方は少なくありません。
そこで次は、特に治療方法で悩むことの多いインプラントとブリッジに焦点を当てて、以下の項目を解説します。
- インプラントのメリット・デメリット
- ブリッジのメリット・デメリット
インプラントのメリット・デメリット
インプラントのメリット・デメリットは下表のとおりです。
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インプラントの最大のメリットは、審美性が高く周りの歯への負担がほとんどないことです。
ブリッジのように失った歯の両隣の歯を削り、土台にする必要がないので、将来的に多くの歯を残せます。
インプラントのデメリットは治療期間が長く、条件によっては治療できないケースがあることです。
インプラントのデメリットについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
関連記事:インプラントのデメリットとは?年代別・手術回数別の欠点やメリットも解説
インプラントは、メリット・デメリットをふまえると以下のような人におすすめです。
- 周囲の歯を削りたくない人
- 周囲の歯に負担をかけたくない人
- 再治療やメンテナンスを簡単にしたい人
ブリッジのメリット・デメリット
ブリッジのメリット・デメリットは下表のとおりです。
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ブリッジのメリットは外科手術が必要なく、両隣に歯があれば治療可能で全身的な制約を受けることはありません。
保険適応なので比較的安価で治療でき、見た目が気になれば保険外の被せ物に切り替えられます。
ブリッジの最大のデメリットは、失った歯の両隣を土台として使うために負担をかけ、虫歯や歯周病のリスクが高くなることです。
失った歯が多くなるほど土台の歯にかかる負担は大きくなるため、神経のない歯でも歯根(歯の根っこ)が破折するケースは少なくありません。
メリット・デメリットから、ブリッジは以下のような人におすすめです。
- 外科手術に抵抗がある人
- 全身疾患などで外科手術ができない人
- できるだけ早く噛み合わせを戻したい人
- 費用を抑えたい人
インプラントとブリッジそれぞれの割合
では、実際にインプラントとブリッジはどれくらいの割合で治療されているのでしょうか。
厚生労働省の実態調査にもとづき、年代別の割合を下表にてまとめました。
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20代では歯を失うケースが少なく、インプラント装着者は見られません。
30代になると歯を失う人が増えますが、インプラント装着者は見られずブリッジで噛み合わせを戻すケースが多くなります。
30代でインプラントを受けようとするときに感じるデメリットとして、費用が高額であることやメンテナンスが必要であることが挙げられます。
仕事や家事、育児と人生の中でも忙しい30代ならではの悩みといえるでしょう。
インプラント装着者は40代以降徐々に増えますが、70代後半からは入れ歯を選択するケースが増え、80代以降は減少が見られます。
ブリッジからインプラントへ変更できる?
インプラントについて理解が深まったところで、すでにブリッジを入れた歯はインプラントへ変更可能なのでしょうか。
ブリッジからインプラントへ変更しようした場合、以下の項目について解説します。
- ブリッジからインプラントへ変更できるケース
- ブリッジからインプラントへ変更する流れ
ブリッジからインプラントへ変更できるケース
ブリッジからインプラントへ変更できるケースとして3つのケースが挙げられます。
- 支台歯(土台となる歯)に問題があり、再治療が難しい
- 欠損歯(抜けた歯)が多く保険適用のブリッジが入れられないため、入れ歯をすすめられた
- 支台歯がダメになる前に負担を減らし、歯を保護したい
ブリッジの支台歯に以下の問題が生じると再治療しても外れることがあり、ブリッジができないと判断されます。
- 歯根破折(歯の根が割れる)
- 歯周病や噛み合わせが原因で起こる骨吸収による歯の揺れ
- 根の先の炎症による根管治療の限界
- 虫歯による歯質の崩壊
ブリッジは欠損歯数に応じて必要な支台歯の数が決められるため、欠損歯が多いと保険で入れられません。
保険の適応がないブリッジは支台歯への負担を考慮するとリスクが大きいため、保険適応なら入れ歯、保険適応外ならインプラントをすすめられるのです。
もちろん、今後起こりうるリスクを考慮して予防的にインプラントを選択するケースもあります。
どのケースも、歯周病があるとインプラントの残存率が低下しやすいため、事前に歯周病の治療が必要です。
ブリッジからインプラントへ変更する流れ
ブリッジからインプラントへ変更する流れは次のとおりです。
- ブリッジを取り外す
- 欠損部にインプラント治療をする
- 支台歯に被せ物をする
ブリッジを取り外したときの支台歯の状態によっては、追加で治療が必要になり、被せ物を入れるだけでは済まない場合もあることを知っておきましょう。
当院では口腔外科医歴20年以上と、経験豊富なインプラント認定医が手術を担当します。
不安が取り除けるようにしっかりとカウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。
インプラントとブリッジは併用できるケースも
3本以上連続して歯を失っている場合、インプラントとブリッジが併用可能です。
インプラントブリッジについて、以下の項目で解説します。
- インプラントブリッジの流れ
- インプラント2本でブリッジする際の費用
- インプラントブリッジのメリット・デメリット
インプラントブリッジの流れ
インプラントブリッジは、失った歯の両隣にインプラントを埋め込みブリッジを被せる治療方法で、支台歯となる歯自体がインプラントになる治療方法です。
原則的に、天然歯とインプラントをつなぐブリッジはできません。
天然歯には噛む力を感じとる歯根膜という組織があるために、歯の微細な揺れや浮き沈みが起こりますが、インプラントには歯根膜がないことが理由です。
インプラントに歯根膜がないと天然歯の動揺が伝わり、インプラントを揺らしてしまうので負担が大きくなります。
インプラントブリッジの治療に至る一般的な流れは以下のとおりです。
- ブリッジが使えなくなり、部分入れ歯に変更
- 部分入れ歯の違和感が強く、使わなくなった
- 部分入れ歯が入っていない方の歯に負担がかかり、痛みなどのトラブルが出た
- 部分入れ歯の箇所をインプラントブリッジで治療
入れ歯を作ったものの違和感に慣れないために使わなくなり、他の歯にトラブルが出るケースは少なくありません。
インプラントに不安や抵抗感がある方は最初に入れ歯を作り、感覚に慣れない場合にインプラントを検討するという流れにすると良いでしょう。
インプラント2本でブリッジする際の費用
インプラント2本でブリッジ(セラミックの場合)にする際の一般的な費用は下表のとおりです。
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インプラントを埋め込む骨の状態によって、骨の増成手術の有無は異なります。
インプラントのメンテナンスの費用や頻度は医院ごとに異なりますが、3〜6ヶ月ごとに行われるのが一般的です。
インプラントブリッジのメリット・デメリット
インプラントブリッジのメリット・デメリットは下表をご覧ください。
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インプラントブリッジのメリットは、失った歯全てをインプラントにしなくて良いため、治療費用や顎の骨への負担が減らせるところです。
ただし、インプラント同士がブリッジになると将来的に2本とも抜けてしまったり、セルフケアが難しいためインプラント周囲炎になりやすかったりすることがデメリットといえるでしょう。
インプラントとブリッジに関するよくある質問
インプラントとブリッジの治療に関して、よくある2つの質問について解説します。
- 前歯はインプラントとブリッジどっちがいいですか
- 前歯と奥歯でインプラントやブリッジの治療料金は違いますか
前歯はインプラントとブリッジどっちがいいですか
前歯の治療に対し重視する点によって、選択肢は異なります。
- 費用を安く済ませたい:ブリッジ
- 見た目にこだわりたい:インプラント、保険外のブリッジ
- 自分の歯を削りたくない:インプラント
歯を2〜3本失っているケースでもインプラントブリッジが可能です。
それぞれの治療方法におけるメリット・デメリットをしっかり理解したうえで選択しましょう。
前歯の治療は見た目に大きく関与するので、それぞれの治療方法について丁寧に説明し、相談にのってくれる歯科医院を選ぶことが大切です。
前歯と奥歯でインプラントやブリッジの治療料金は違いますか
インプラントやブリッジは基本的に治療場所によって費用が異なることはありません。
治療費用を左右するのは以下の3項目です。
- 治療方法
- 被せ物の素材
- 保険適応か保険適応外か
費用に関して不安な点があれば、事前に担当の歯科医師に相談しましょう。
まとめ|インプラントとブリッジの特徴を知り自分に合った治療方法を
インプラントとブリッジにはどちらにもメリット・デメリットがあるため、それぞれの治療方法の特徴を理解することが重要です。
噛み合わせを戻す際に優先したいことを明確にすると、自分に合った治療方法が決まってきます。
当院ではインプラント治療に興味がある方、他院で治療を断られた方にも丁寧な説明やカウンセリングを実施しております。治療に迷われた際の参考になれば幸いです。