口臭の原因が歯周病かもしれないサイン|歯科医が解説する正しい理解と対処法

目次
はじめに
「最近、口臭が気になる」「家族や同僚に指摘されて不安」という方は少なくありません。口臭には一時的なものと病気に関連するものがあり、その中でも特に多いのが 歯周病 によるものです。
厚生労働省によると、日本人の成人の約8割が歯周病にかかっていると言われており(e-ヘルスネット)【参考文献①https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-03-004】)まさに国民病とも呼ばれる疾患です。本記事では、口臭と歯周病の関係、そして 歯周病を疑うべきサイン を、権威性の高い情報を参照しながら解説します。
1. 口臭の種類と原因
1-1. 生理的な口臭
朝起きたときや空腹時に発生する自然な口臭です。これは唾液の分泌が減少し、口腔内細菌が一時的に増えることによって起こります。
1-2. 食べ物や嗜好品による口臭
ニンニク、アルコール、タバコなどが原因で起こる一時的な口臭です。時間が経つと軽快することが多いです。
1-3. 病的な口臭
口腔疾患や全身疾患に関連する口臭であり、日本口臭学会でも「病的口臭は大きく口腔由来と全身由来に分けられる」と解説されています【参考文献④】。その中でも歯周病は代表的な原因のひとつです。
2. 歯周病と口臭の関係性
2-1. 歯周病とは
歯周病は歯を支える組織に炎症が起こり、進行すると歯槽骨が吸収されて歯が動揺し、最終的には歯を失う可能性のある病気です。
2-2. 歯周病が口臭を引き起こすメカニズム
歯周病菌は、硫化水素やメチルメルカプタンなど揮発性硫黄化合物(VSC)を産生し、強い臭気を発します。この仕組みについては歯科医療の現場からも信頼される製品を開発している、信頼性の高いオーラルケアブランド「システマ」でも解説されています【参考文献④https://systema.lion.co.jp/shishubyo/about/koushuu.htm】。
2-3. 歯周病による口臭の特徴
- ガムや歯磨きで一時的に改善してもすぐ戻る
- 他人が気づきやすい強い臭い
- 歯ぐきの出血や腫れを伴うことが多い
3. 歯周病かもしれないサイン
厚労省 e-ヘルスネットによると、歯周病の初期症状として「歯ぐきからの出血・腫れ」が挙げられています。
【参考文献/https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-03-003】。以下のサインがあれば注意が必要です。
- 歯ぐきから出血する(ブラッシングやフロス使用時)
- 歯ぐきが赤く腫れている
- 歯が揺れるように感じる
- 口の中がネバつく
4. 歯科医院で行う口臭・歯周病の検査
歯科医院では以下の検査が行われます。
- 歯周ポケット測定:歯周病の進行度を把握
- レントゲン検査:骨の吸収具合を確認
- 口臭測定器:揮発性硫黄化合物の濃度を測定
5. 歯周病治療の一般的な流れ
5-1. スケーリング(歯石除去)
歯石を除去し、細菌の温床を取り除きます。
5-2. SRP(ルートプレーニング)
歯周ポケット内部を清掃し、歯根表面をなめらかに整えます。
5-3. 外科治療(必要な場合)
重度歯周病では歯ぐきを開いて深部の歯石や感染組織を除去する場合もあります。
5-4. メンテナンス
治療後は定期的なクリーニングが不可欠であり、厚労省も「定期的な歯科受診が歯周病の進行予防に有効」と述べています【参考文献歯の健康|厚生労働省】。
6. 自宅でできる歯周病予防と口臭対策
- 正しいブラッシング:歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨く
- フロス・歯間ブラシ:歯間のプラーク除去
- 舌清掃:舌苔は日本口腔外科学会でも口臭の原因として強調されています
【参考文献/https://www.jsoms.or.jp/public/soudan/kouku/kousyu/】
- 食生活改善:野菜や咀嚼回数の多い食事は自然な清掃効果あり
7. 歯周病治療のメリットとリスク
メリット
- 口臭の改善が期待できる
- 歯ぐきの健康回復
- 全身疾患(糖尿病・心疾患など)のリスク軽減にもつながる可能性がある【参考文献②】
リスク
- 治療後に一時的な知覚過敏
- 出血・腫れを伴う場合がある
- 重度では複数回通院が必要
まとめ
口臭の原因にはさまざまなものがありますが、歯周病は最も多い原因のひとつ です。歯ぐきからの出血や腫れ、歯の動揺、口のネバつきが見られる場合は、早めの受診をおすすめします。
歯周病治療は口臭改善だけでなく、歯の寿命や全身の健康にもつながります。気になるサインがある方は、一度歯科医院で検査を受けましょう。