【2025年版】歯周病の症状チェックリスト|放置すると怖い7つのサインと今すぐできる対策

こんにちは。梅田の歯医者、えみは総合歯科大阪梅田院理事長の加藤です。
「朝起きたとき口の中がネバネバする」「歯磨きのとき血が出る」―こんな症状に心当たりはありませんか?
実は、これらは歯周病の初期サインです。日本人の約8割が歯周病にかかっているにもかかわらず、多くの方が「まだ大丈夫」と放置しているのが現状です。
しかし歯周病は、放置すれば歯を失うだけでなく、糖尿病や心疾患のリスクを2倍以上高めることが最新研究で明らかになっています。
本記事では、梅田で1,500名以上の歯周病治療を手がけてきた経験をもとに、見逃しがちな歯周病のサインから、自宅でできる効果的な対策まで詳しく解説します。
目次
【危険度チェック】あなたの歯周病リスクは?7つの症状
軽度(要注意レベル)
✅歯磨き後に血が出ることがある
✅朝起きたとき口の中がネバネバする
✅歯ぐきが赤く腫れぼったい感じがする
中度(治療推奨レベル)
✅硬いものを噛むと歯ぐきが痛い
✅歯ぐきから膿が出ることがある
✅口臭が気になるようになった
重度(緊急治療レベル)
✅歯がグラグラと動く感じがする
3個以上当てはまる方は、今すぐ歯科医院での検査をおすすめします。
私はこれまで20,000人以上の患者様を診察してきましたが、重度まで進行してから来院される方の多くが「まさかここまで悪化しているとは思わなかった」とおっしゃいます。
気づかないうちに進行する歯周病
歯周病が「サイレントディジーズ(沈黙の病気)」と呼ばれる理由は、初期段階では痛みがほとんどないからです。
<歯周病のメカニズム>
(参考:デントヘルス)
- 歯肉炎:歯ぐきの軽い炎症(可逆的)
- 軽度歯周炎:歯を支える骨が溶け始める
- 中度歯周炎:歯がグラつき始める
- 重度歯周炎:歯が抜け落ちる
問題なのは、段階1から2への移行時に自覚症状がほとんどないことです。気づいたときには、既に歯を支える骨が溶け始めている可能性が高いのです。
【最新研究】歯周病が引き起こす全身への深刻な影響
(参考:日本臨床歯周病学会)
糖尿病リスクが2.6倍に
厚生労働省の調査によると、歯周病患者は糖尿病発症リスクが2.6倍高くなることがわかっています。
歯周病菌が産生する毒素がインスリンの働きを阻害し、血糖値のコントロールを困難にするためです。逆に、歯周病治療を行うことで血糖値の改善も期待できます。
(参考:日本糖尿病学会「糖尿病と歯周病の相互関係に関する調査」2024年版)
心疾患・脳梗塞のリスクも増大
歯周病菌は血管を通じて全身に運ばれ、以下のリスクを高めることが判明しています:
- 心筋梗塞:発症リスク1.9倍
- 脳梗塞:発症リスク2.1倍
- 誤嚥性肺炎:発症リスク3.9倍
特に梅田のようなビジネス街では、ストレスと不規則な生活習慣により、これらの複合リスクを抱える方が増加しています。
妊娠中の歯周病が引き起こす深刻な問題
妊娠中の歯周病は、早産・低体重児出産のリスクを7.5倍高めることが報告されています。
これは喫煙やアルコールよりも高いリスク値です。妊娠を希望される方、妊娠中の方は特に注意が必要です。
【歯科医師推奨】自宅でできる効果的な歯周病対策
1. 正しい歯磨き法「45度法」をマスターする
基本の磨き方:
- 歯ブラシを歯と歯ぐきの境目に45度の角度で当てる
- 小刻みに振動させながら、1本ずつ丁寧に磨く
- 力は150g程度(歯ブラシの毛先が広がらない程度)
- 1回3分以上かけて磨く
おすすめの歯ブラシ:
- 毛の硬さ:やわらかめ〜ふつう
- ヘッドの大きさ:小さめ(奥歯まで届きやすい)
- 交換頻度:1ヶ月に1回
2. デンタルフロス・歯間ブラシで徹底除菌
歯磨きだけでは、歯と歯の間の汚れは60%程度しか除去できません。
使用方法:
- デンタルフロス:毎晩の歯磨き後に使用
- 歯間ブラシ:隙間の大きさに合わせてサイズを選択
- マウスウォッシュ:殺菌効果のあるものを選択
3. 生活習慣の改善で歯周病菌を撃退
禁煙の効果:研究の結果、 禁煙することで歯周病の危険性が「4割も減る」とされています。ニコチンが血流を阻害し、治癒を妨げるためです。
食生活のポイント:
- ビタミンC:歯ぐきの健康維持に必須
- カルシウム・ビタミンD:歯を支える骨の強化
- 糖質制限:歯周病菌のエサを減らす
ストレス管理: 慢性的なストレスは唾液分泌量を減らし、口腔内の自浄作用を低下させます。適度な運動や十分な睡眠を心がけましょう。
歯科医院での効果的な歯周病治療
定期検診で受けられる専門ケア
スケーリング(歯石除去): 歯石は歯磨きでは除去できません。専用器具で徹底的に除去し、歯周病菌の住処をなくします。
ルートプレーニング: 歯の根の表面を滑らかにし、細菌の再付着を防ぎます。中度以上の歯周病に効果的です。
PMTC: プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングにより、バイオフィルムを完全除去します。
【重要】痛みがなくても3ヶ月に1回は検診を
歯周病は症状が出てからでは手遅れになることが多い病気です。
推奨受診頻度:
- 健康な方:6ヶ月に1回
- リスクがある方:3ヶ月に1回
- 治療中の方:1〜2ヶ月に1回
「痛くなってから」という方が多いですが、予防こそが最も効果的で経済的な対策です。
まとめ:歯周病対策は「早期発見・早期治療」が最重要
歯周病は、適切なケアにより予防・進行抑制が可能な病気です。しかし、放置すれば歯を失い、全身の健康まで脅かす深刻な疾患でもあります。
今すぐ始められる3つのアクション:
- セルフチェックで現在の状態を把握する
- 正しい歯磨き法とデンタルフロスを実践する
- 3ヶ月以内に歯科医院で検診を受ける
えみは総合歯科大阪梅田院では、お一人おひとりのリスクレベルに応じたオーダーメイドの予防プログラムを提供しています。ご興味のある方は下記のリンクよりご参照ください。
(関連記事:えみは総合歯科大阪梅田院の再発しない歯周病治療「THP」(トータルヘルスプログラム)について)
「最近歯科に行っていない」「症状はないけど心配」という方も、まずはお近くの歯科医院でお気軽にご相談ください。早期発見・早期治療こそが、あなたの歯と健康を守る最善の方法です。