歯医者に何度も通わされるのはなぜ?保険診療の仕組みを歯科医師が本音で解説

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この記事でわかること

「また来週来てください」「もう少しかかります」——

歯科治療で何度も通院を繰り返した経験、ありませんか?

「儲けのために引き延ばしているんじゃないか」

と感じた方もいるかもしれません。

この記事は、予防歯科専門家・加藤直之先生が動画

「歯医者に何度も通わされる理由を暴露します。」

の中で語った、保険診療の仕組み・収益構造・歯科医院の選び方について整理したものです。

この記事を読むとわかること:

  • 歯科の保険診療でどうやって売上が成り立っているか
  • 何度も通わされる本当の理由
  • 信頼できる歯科医院の見分け方

※ 矯正治療は本院(大阪府羽曳野市)にて承っております。

大阪梅田院では対応しておりませんので、ご希望の方は本院へお問い合わせください。


虫歯治療で「儲かる」は本当か

まず、保険診療の収益構造から整理してみましょう。

加藤先生は動画の中でこう話しています。

「研修上がりで5年から10年未満ぐらいの先生だと、保険診療の時給の平均は5,000円ぐらいかなと思います」

そして、歯科医師の給与と売上の関係についてもこう説明します。

「大体お給料の5倍を売り上げないといけない。時給5,000円もらおうとすると、1時間に2万5,000円稼がないといけない」

この数字だけ聞くと「じゃあ虫歯をどんどん削れば儲かるのでは」と思いたくなりますが、先生はこう続けます。

「虫歯治療とかを頑張ってやってもなかなか売上みたいなのは上がらないです。虫歯治療は、僕の感覚ではボランティアみたいな感じで、信頼度を得るためにやっているという感じ」

保険診療における虫歯治療は、それ単体で大きな収益を生む仕組みにはなっていないというのが、加藤先生の率直な見立てです。


「何度も通わされる」のは国のルールが理由

では、なぜ毎回少しずつしか治療が進まないのでしょうか。

加藤先生はここを「大きな誤解がある」と指摘します。

「別に儲けたくてこう回数を分散するわけじゃなくて、国の方針でまとめて治療するなって言われてるんですよ」

具体的には、1人の患者さんに対して月の治療費の総額が一定額を超えると、国から「指導」が入る仕組みがあるそうです。

「最初は集団指導という感じでまとめられて、それが続いていくと個別指導という形で、保険の医療機関としての取り下げとか、結構厳しいことになってくる」

つまり、歯科医師がまとめて治療したくても、制度上それができない状況があるということです。

加藤先生はこう締めくくっています。

「歯者さんが意地悪しているわけじゃなくて、きついルールがあるんですよ。そこはあまり誤解をされないようにお願いしたいなと思います」


「歯を残す」方が、実は長期的に収益になる

一方で、加藤先生は歯科医院の収益構造についてもう一つの視点を示しています。

「歯を残すと、国から歯の残っている本数に対して管理費などが出てくるので、トータルで言うと歯を残す方が得になってくる」

つまり、歯をどんどん削って入れ歯にするより、歯を残して長く管理していく方が収益的にも合理的だという構造があるということです。

加藤先生はこう言います。

「虫歯の治療や管理費で信頼を失って他のクリニックに行かれるぐらいなら、売上を追いかけずにしっかり治させてもらって信頼を得る方が賢いんじゃないかなとは思っています」


信頼できる歯科医院を選ぶ視点

では、どんな歯科医院を選べばいいのでしょうか。加藤先生はこう整理しています。

「目先の治療をどんどん進めていくところなのか、皆さんの歯を残していく予防をしたいのか、そこは大きな違いかなと思います」

ただし、どちらが正解というわけではないとも述べています。

「予防ばっかりやっていても治療をしなかったらダメですし、治療ばっかりしていても予防は絶対入ってくる。どちらかだけというのはなかなかない」

加藤先生が提案するのは、状況に合わせた柔軟な使い分けです。

「痛い歯をとりあえず直したいなら治療型のクリニックへ行って、それが終わったら予防型のクリニックへ行くというのも一つ」

そのうえで、一点だけ明確に「避けてほしい」と言っているのが、患者の意向を無視して治療を進めるケースです。

「患者さんの意向とは裏腹に、どんどん望んでもない治療を進めていく歯科医師は最悪です。そういう歯科医師はちょっと避けてもらった方がいいかなと思います」


加藤先生が語る「歯科医師のミッション」

動画の最後で、加藤先生はこんな言葉を残しています。

「最終的には噛み合わせをちゃんと作って、日本人の健康寿命を伸ばしてあげるというのが僕らのミッション」

何度も通わせることへの疑問や不信感は、患者として自然な感情です。

ただ、その背景には制度の複雑さや、歯科医師側の事情もあることを理解したうえで、担当の先生と治療の回数や方針について率直に相談してみることが、納得のいく治療への近道になるかもしれません。


まとめ

  • 何度も通う理由の多くは、国の保険制度のルールによるもの
  • 虫歯治療単体で大きく儲かる仕組みにはなっていない
  • 歯を残す・予防する方向の医院の方が、長期的に患者と関わる構造になっている
  • 「治療型」「予防型」を自分のニーズで使い分けることも選択肢のひとつ
  • 患者の意向を無視して治療を進める歯科医師には注意が必要

この記事は、加藤直之先生による動画

「歯医者に何度も通わされる理由を暴露します。」

をもとに作成しています。

保険診療の仕組みや、先生の考え方のニュアンスは、ぜひ動画でも確かめてみてください。


歯の治療について「これって本当に必要?」「どこに相談したらいい?」と感じたことがある方は、お気軽にご相談ください。

この記事の監修・執筆者

加藤 直之(かとう なおゆき)

医療法人えみは会 理事長
愛知学院大学歯学部卒業。大阪府羽曳野市にて「加藤総合歯科・矯正歯科」を開院。一般歯科から高度なインプラント治療、矯正歯科まで幅広く手掛ける。青山病院にて歯科口腔外科、ドライマウス、舌痛症外来の非常勤講師・担当医を兼任するなど、難治性の口腔疾患や外科的アプローチにおいても深い知見を持つ。

資格・実績

Clinical Oral Implantology (インプラント認定医)NPO法人日本歯科予防協会理事AQBインプラント認定ISOI インプラント認定医、 ザイブインプラント認定、 ドライマウス認定医、 POIインプラント認定、 日本ドライマウス学会会員、 インプラント学会所属、 ブローネマルクインプラント認定、 日本抗加齢歯学会会員、 SARGONインプラント認定、 医療情報技師認定証ITIインプラント認定審美歯科学会認証