歯周病がなかなか治らない方へ|原因と検査の選択肢(大阪・梅田)
お口の中を清潔にしているつもりなのに、歯ぐきの腫れや出血がなかなか治まらない。歯科医院で歯石を取ってもらっているのに、しばらくするとまた同じ状態に戻ってしまう。そんな経験はありませんか。
結論から申し上げます。歯周病は、歯みがきや通院だけでは改善しきらないことがある病気です。 その背景には、原因となる細菌の種類や、生活習慣・全身の状態など、いくつかの要因が関わっている場合があります。
※本記事は、実在の患者さんに基づかない一般的な解説です。実際の診断・治療方針は、診察のうえで判断します。
歯周病は、どのようにして起こるのか
日本歯科医学会が令和2年3月にまとめた「歯周病の治療に関する基本的な考え方」によると、歯周病は主に歯周病原細菌により引き起こされる感染性炎症疾患とされています。歯みがきが十分でないと歯と歯ぐきの境目にプラーク(歯垢)がたまり、その中の細菌が毒素を出すことで、歯ぐきが腫れたり出血しやすくなったりすると報告されています(厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周病とは」)。
プラークの中の細菌は、時間がたつと唾液に含まれる成分と結びつき、歯石という硬い物質に変わります。歯石の表面はざらついているため、さらに細菌が付着しやすくなるとされています。
歯周病に関わる細菌は一種類ではありません。厚生労働省 e-ヘルスネットによると、おもな歯周病原菌には P.g.菌 などがあり、このほかにも数十種類もの細菌が歯周病との関連を疑われているとされています。詳しい原因やリスクファクターは 歯周病の原因は?悪化させる5つのリスクファクターと進行度別の治療方法 でも整理しています。
「治療しているのに、なかなか良くならない」と感じる背景
歯周病の基本的な治療は、原因となるプラークや歯石を取り除く「歯周基本治療」です。多くの場合、これによって歯ぐきの炎症は改善に向かいます。自宅でのケアだけでは歯石までは取りきれない理由は、歯周病の治し方は?自宅での歯磨きでは治せない理由と3つの予防方法 をご覧ください。
ただし、日本歯科医学会は同資料の中で、「中等度以上の歯周炎では、歯周外科治療および口腔機能回復治療を要する場合が多く、より複雑な歯周病治療が必要となる」と述べています。進行の程度によっては、歯石を取り除く基本治療だけでは十分でないことがあると、公的な資料自体が示しているということです。
なかなか良くならないと感じるとき、次のような要因が関わっていることがあります。
- 喫煙:厚生労働省 e-ヘルスネットによると、喫煙者は非喫煙者と比較して歯周病に3倍以上かかりやすいとされています。
- 糖尿病:糖尿病がある方は、歯周病が進行しやすいことが知られています。
- かぶせもの・つめものの適合:金属やプラスチック製の修復物と歯の間に段差やすき間があると、プラークが付着しやすくなり、歯周病を悪化させる一因になるとされています。
さらに日本歯科医学会は、歯周病は再発・重症化しやすい疾患であるため、治療がひと段落したあとも継続的な管理(歯周病重症化予防治療・SPT〔歯周病安定期治療〕)が欠かせないとしています。歯周ポケットの深さが4mm未満になっても炎症が残る場合や、治療後も深いポケットが残る場合は、再発や重症化のリスクが高いとされています。「治療した」で終わりではなく、「維持する」段階が必要な病気だということです。
検査で分かること
歯周病の検査というと歯ぐきの検査を思い浮かべる方が多いと思いますが、日本歯科医学会の資料には、歯周ポケットの深さや出血の有無を調べる基本検査、エックス線検査に加えて、「その他の検査」として、細菌検査(リアルタイムPCR法、DNAプローブ法など)や歯肉溝滲出液の検査が挙げられています。原因となっている菌の種類を確認することも、検査の選択肢の一つとして位置づけられているということです。
歯周病の治療は、こうした検査の結果をもとに診断し、患者さん一人ひとりに合った治療計画を立てて進めていくことが基本的な考え方とされています。
自由診療という選択肢——重度歯周病根本的改善プログラム「THP」
歯周基本治療や歯周外科治療の多くは保険診療の範囲で行われます。まずは保険診療の中で、歯周外科治療やSPT(歯周病安定期治療)といった次の段階に進めるかどうかを検討します。そのうえで、当院では、遺伝子検査を組み合わせて歯周病の原因菌を調べ、お口の中の菌のバランスを整えていくことを目指す自由診療(保険適用外)のプログラム「THP(トータルヘルスプログラム)」もご用意しています。
THPでは、遺伝子検査(PCR検査)によって歯周病の原因となる菌を調べたうえで、一人ひとりの状態に合わせた治療計画を立てます。骨の再生を助ける目的でポリリン酸を用いた治療を行うこともあります。自由診療のため、費用は平均総額125,000円〜265,000円(税込)です。金額はお口の状態や必要な処置によって異なります。詳しい内訳は検査後にお見積りとしてご説明します。
THPの標準的な治療期間は約3ヶ月、通院回数は6回〜10回程度(うち検査に1回)です。お口の状態によって前後しますので、実際の計画は初診時の検査・診断のうえでご説明します。
【THPの主なリスク・副作用】
- 治療に伴い、一時的な痛み・出血・知覚過敏が生じることがあります。
- 歯周組織が回復する過程で、歯ぐきが引き締まり、歯が長く見えたり、歯と歯の間にすき間ができたりすることがあります。起こりやすさは、お口の状態や治療の内容によって異なります。
- 歯周病の進行度によっては、保存が難しい歯の抜歯をご提案する場合があります。
- 治療後も、再発予防のため定期的なメンテナンスが必要です。
効果のあらわれ方には個人差があります。適応やリスクは、検査・診察のうえで個別にご説明します。初診時のカウンセリングでも、お口の状態に合わせて詳しくご説明しています。
費用・治療内容の詳細は THP(トータルヘルスプログラム)の詳細ページ もあわせてご覧ください。
まずは検査・ご相談から
歯周病治療を受けているのに改善を感じられない場合、原因は一つとは限りません。歯みがきの仕方や生活習慣の見直しだけでなく、原因菌の種類や全身の状態も含めて確認することで、次に何をすべきかが見えてくることがあります。
- 歯周基本治療を受けても歯ぐきの腫れ・出血が続く方
- 歯石除去を繰り返しても、なかなか改善を実感できない方
- 検査を通じて、もう少し詳しく原因を調べてみたい方
上記に当てはまる方、どこに相談すればよいか迷っている方は、まず検査・ご相談から。
ご予約・お問い合わせ
お電話:06-4256-5871(えみは総合歯科 大阪梅田院)
大阪・梅田(グラングリーン大阪)にある当院へのアクセスは、診療時間・アクセス をご覧ください。
この記事の監修・参考情報
監修:医療法人えみは会 理事長 加藤直之(歯科医師)/口腔外科歴20年以上。平成25年8月まで青山病院にて非常勤(歯科口腔外科・ドライマウス・舌痛症外来を担当)
参考情報
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周病とは」(監修:内藤徹・福岡歯科大学 高齢者歯科学分野 教授/2022年11月14日 最終更新)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-03-001.html
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周治療の流れ」(監修:米田雅裕・福岡歯科大学 総合歯科学講座 教授/2020年1月6日 最終更新)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-03-005.html
- 日本歯科医学会「歯周病の治療に関する基本的な考え方」(令和2年3月)
https://www.jads.jp/assets/pdf/basic/r02/document-200401-1.pdf
